芭蕉一行は黒羽で十分休養して(陽暦6月3日)那須の殺生石(せっしょうせき)に向かいます。
途中雨が降ってきて高久村の高久角左衛門宅に2泊します。
高久は黒磯駅から約3km国道4号線の旧道沿いを歩いていくとあります。
芭蕉が2泊したということで碑がありました。すごいですね。
曾良の旅日記には「高久ニ至ル。雨降リ出ニ依。・・・・宿角左衛門、図書ヨリ状被添」
とあり黒羽の浄法寺図書高勝から紹介状をもらっていたようです。
地名も高久で苗字も高久、大きな地主か庄屋さんだったのでしょう。
「みちのく一見の桑門同行二人なすの篠原をたずねて、猶殺生石ミむと急ぎ侍る程に、あめ降出ければ先批ところとどまり候」
という芭蕉の真蹟が伝存しているそうです。
芭蕉塚には菜の花が綺麗に咲いていました。このすぐ近くに現在の高久家がありますが個人宅なので写真は撮りませんでした。
嵐山光三郎さんは高久家を訪れて高久まささんに(大正9年生まれ)お会いして系譜など見せてもらうと5代目角左衛門(当時28歳)の時に芭蕉が宿泊した事が分かりました。
「高久家は敷地こそ広いが簡素な屋敷であった。高久まささんは500年の旧家を継ぐシャンとした気品があり、美しく気品のある人で、庭で採れたアブラ菜のゴマあえと、里芋のサンショ煮を出してくれた」
と嵐山さんは書いています。
芭蕉も又このように旅先で会うやさしい心遣いに、ふと気を休めたのでしょうか。
それにしても作家として有名になると取材もやりやすくなりその上ご馳走になったりするんですね。
ご隠居がふらふらしていると警察でも呼ばれそうなので撤収しましょうかね。
ここから800mぐらいの所に高福寺があります。
ここは高久家の墓所があります。
静かなお寺です。
庭の木が素晴らしい。
さて現在に戻って黒磯駅から那須ロープウェイに向かいます。
途中に那須湯元、温泉神社などがありますが晴れているのでまず雲海を目指します。
黒磯駅からは1時間に1本ぐらいバスが出ているので便利です。
フリーパスだと2600円
那須ロープウェイまでその都度買うと往復しただけで2700円かかります。途中下車するとさらに料金がかかります。
フリーパスだとロープウェイも1割引きとなっていてせこいようですが(升添さんほどではありませんが)ちょぴりお得です。
何処に行ってもこんなものがありますね。
鬼面山が見えました。
山頂駅に到着です。
晴れていたんですけど写真の具合はよくないですね。
茶臼岳に向かう登山道です。90分ぐらいで行けるそうですがこの日は風が強くていつロープウェイがいつ運行禁止になるかわからないので装備のない人は遠くに行かないでくださいとのことでした。
芭蕉がこの雄大な景色を見たらどんな句を残すでしょうか?
夏山に ゴンドラ揺れる 休暇かな ご隠居
お粗末。芭蕉に怒られそう。