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賢帝の世紀(上)-塩野七生

2020年07月31日 | 読書
評価4

・第13代皇帝トライアヌス(98年~117年)

公明正大で健全そのものの私生活を送る「至高の皇帝」と称されたトライアヌスは執政官、高地ゲルマニア軍司令官を経て属州(スペイン南部属州ベテカ)出身初の皇帝となり、①元老院議員に「資産の三分の一はイタリアに投資すること」としたイタリア本国の空洞化対策②育英資金制度の創設③公共工事の積極的推進(代表例:スペインのアルカンタラの橋)等多くの政策を実行した。この頃にはすでにコンクリート製法を開発しており、レンガの間をコンクリートで固めていたというのだから驚く!

国境を接するダキアとの間では第1次、2次のダキア戦役で勝利をおさめ、それで得たダキア地方の鉱山とダキア王の財宝を公共事業へとつなげることに成功した。引き続きパルティアへと軍を進めたトライアヌスは首都バグダッドを攻略、ペルシャ湾岸に到達する。しかし、その後、勃発した諸侯の蜂起とユダヤの反乱に苦しめられ、後継にハドリアヌスを指名した後の117年にその生涯を閉じる。

必ず出て来る、パルティアとの戦いとユダヤの反乱。これぢゃ~賢帝だぢもゆるぐない(笑)。