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迷走する帝国(上)-塩野七生

2020年08月29日 | 読書
評価5

セヴェルスの後を継いだカラカラ(皇位211-217)は属州民にもローマ市民権を与える代わりに相続税と奴隷解放税を10%に引き上げる政策を実行するも、補助兵の給与増大=軍事費の増大から来る財政悪化を招き虐殺され、虐殺側である近衛軍団長官のマクリヌス(皇位217-218)が皇帝になる。

その後、セヴェルスの孫のヘラガバルス(皇位218-222)と弟のアレクサンデル(皇位222-235)が引継ぎ、アレクサンデルは233年、長く中東を支配して来たパルティアに替わり支配権を奪取したササン朝ペルシアとの戦役を有利なうちに収める。しかし、その後のゲルマン対策において軍団の反発を買い26歳で殺害され、マクシミヌス将軍が皇位を奪い、ローマは半世紀に渡る軍人皇帝の時代に突入するのだった。