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邪魔(下)ー奥田英朗

2021年06月04日 | 読書

評価5

再読。
放火の嫌疑がかかる茂則の妻・恭子がどんどん落ちて行く。市民運動にのめり込みレジ係から倉庫係へ、パート仲間からも敬遠され市民運動団体とも喧嘩別れ、そして社長と関係を持ち、ついには放火をし刑事の九野を刺してしまう。夫の出来心からの主婦の転落。奥田英朗の傑作!

いやはや再読とは言え、上下巻、昨日今日で一気読み!
主婦、町の不良、ヤクザ、精神衰弱気味の刑事、若い女に溺れて薬漬けになった元刑事、気の弱い金に汚いだけの夫、これだけの人々が入り乱れてのスピード感溢れるストーリー、さすが奥田英朗!

しかし、九野が時々会いに行っていた義母が7年前に死んでいた事実については、いくら精神衰弱とは言え、何度読んでもホラーである。