評価4
再読(前回2021年3月16日)。
「慶喜説」「天朝の物見役説」「大英帝国密偵説」が渦巻く中、謎の武士・的矢六兵衛は居室を転々としながら将軍の御座所の黒書院へたどり着く。そこで、天皇と会った六兵衛は城を後にする。それは10ヵ月もの間居座り続けた末の天下禅譲の儀式であった。武家社会の終わりを告げる物語【完】
的矢六兵衛という人物の実体は結局最後まで不明。六兵衛は武家社会の権化として登場し、城明け渡しに最期まで抵抗することで時代を担う人々の心の奥底に武士の魂を残置させることに成功した(と、思われる)。奇想天外なファンタジーなんだけど、しかし、よくもま~こんな設定を考えつくもんですな~、しかも、一人の武士が城中の部屋を転々とする展開でこんな長編を書き上げてしまうなんて、浅田次郎、凄い作家です!
再読(前回2021年3月16日)。
「慶喜説」「天朝の物見役説」「大英帝国密偵説」が渦巻く中、謎の武士・的矢六兵衛は居室を転々としながら将軍の御座所の黒書院へたどり着く。そこで、天皇と会った六兵衛は城を後にする。それは10ヵ月もの間居座り続けた末の天下禅譲の儀式であった。武家社会の終わりを告げる物語【完】
的矢六兵衛という人物の実体は結局最後まで不明。六兵衛は武家社会の権化として登場し、城明け渡しに最期まで抵抗することで時代を担う人々の心の奥底に武士の魂を残置させることに成功した(と、思われる)。奇想天外なファンタジーなんだけど、しかし、よくもま~こんな設定を考えつくもんですな~、しかも、一人の武士が城中の部屋を転々とする展開でこんな長編を書き上げてしまうなんて、浅田次郎、凄い作家です!