
読書

再読(前回2017年10月27日)。
国際赤十字船として転用された豪華客船弥勒丸の帯びた密命は、シンガポールで積んだ金塊を上海へ送り届けることだった。陸軍の謀略で乗船した二千名の引揚者を人柱に風雨で煙る海原を進む弥勒丸を敵潜水艦群が待ち構える。阿波丸事件をもとに浅田次郎が描く大叙事詩完結。
金塊の上海持ち込みは、戦況が苦しくなった日本軍による中国経済立て直しのためであった。その目的のために翻弄される乗組員、軍人、特務機関員、民間人、そして豪華客船弥勒丸の運命。まあ~よくもま~こんなストーリー考えつくものだ。しかし、弥勒丸引揚の謎に取り込まれる男女のちんけな恋愛話は、この作品に必要だったのだろうか?紅白歌合戦の幕間のくだらないコントを見せられているようで興ざめすることこの上ない(ので読み飛ばした)。
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