危機と克服（中）ー塩野七生

評価４

再読（前回2020年7月21日）。
ヴィテリウスとの闘いを制したヴェスパシアヌスはガリア帝国創設の反乱、ユダヤの暴動を制圧後、１年の時を待ってローマ入りを果たして政務を開始。皇帝法の成立、コロッセウム建設、財政再建に力を尽くし、皇帝位は長男のティトゥスに引き継がれる。じわじわと勢力拡大をはかるキリスト教、度々問題を起こすユダヤの動向に興味をそそられる。

公衆衛生の目的で浴場（テルマエ）の充実が進んだのがこの時期である。紀元１世紀後半の当時の浴場は、入浴設備だけではなく、マッサージ設備、運動場、図書館、ゲーム場、庭園などを備えた余暇善用のための総合施設だったのだ。いやはや、ローマ帝国恐るべし！


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