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1995年ー2000年の5月の物語

2017年05月27日 | 読書

1995年5月、高校1年生のタカユキは1月17日の阪神大震災をきっかけに高校をやめようかと考えていた。35歳サラリーマンのヤマグチさんは3月20日、1つ前の電車に乗ったことで地下鉄サリン事件の難は免れたが心の病に侵されていた。定年間近のアサダ氏は娘の結婚披露宴当日をむかえていた。2000年まで6回訪れる5月の三人三様の人生が当時の世相とともに語られる、切なくも懐かしい物語。

語られる中身は・・・
タカユキ編は1つ年下のガールフレンドとの5年間。ヤマグチさん編は小学低学年だった娘との5年間+地下鉄サリン事件と向き合う5年間。アサダ氏は妻、大学生だった息子、結婚した娘との5年間。誰が読んでも、登場人物の誰かに感情移入できそうな構成になっているところがミソ。

「あ~こんな出来事(事件)あったな~」
「あ~こんな(プロ野球の)試合あったな~」
「ノストラダムスの大予言、読んだったな~」

と、当時を思い出して凄くなつかしかったし、世相の移り変わりも再確認できた。

『星に願いを』(当時の題名は『さつき断景』)の単行本発行は2000年11月。
1997年3月11日の「茨城県東海村の動燃再処理工場での火災爆発事故」を踏まえて、次のような記述がありビックリしたので紹介する。

事故の翌日、新潟県の柏崎原発では、世界一の出力試験運転を達成している。
だじょうぶなのか?
ほんんとうに信じられるのか?
いつかーそれほど遠くないいつか、もっと重大で深刻な事故が起きてしまうのではないかと、アサダ氏には思えてしかたないのである。


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