評価
再読(前回2020年2月11日)。
伊豆見翔人は家のゴタゴタに嫌気がさしひったくりや通り魔を繰り返す日々。ある時のヒッチハイクで宮崎の椎葉村に辿り着き、そこで一人の老婆を助けたことでその家に居着くことに。村の人々の優しさに触れた翔人の心根が変わって行く様に引き込まれる。作者の高い心理描写が光る一冊!
90歳のおスマ婆さんの優しさに徐々に心を開く翔人だが、なかなかことは簡単には進まない。婆さんのヘソクリを翔人が見つけたことから「泥棒騒動」が起き、そこへやって来た長男と取っ組み合いも・・・なかなか「しゃぼん玉」(ただ漂って生きて行く)の心根が改まらない翔人だが、シゲ爺、美和との触れ合いがその心に変化をもたらす。そして、感動のラストに思わず涙!
舞台となった宮崎県椎葉村、平家祭り、全部実在するものです。YouTubeで見て物語の背景が実感できました。乃南さん大好きな作家です。
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