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いつか陽のあたる場所でー乃南アサ

2021年03月11日 | 読書

評価4

再読(前回2020年2月22日)。
東京の下町・谷中に住む芭子と綾香は元ムショ仲間。下町の風情を織り交ぜ、前歴をひた隠しに隠して手を携えて懸命に生きる二人の姿を追うシリーズの1作目。①おなじ釜の飯②ここで会ったが③唇さむし④すてる神あれば

小森谷芭子(29歳)は、ホストに貢ぐ金欲しさに昏睡強盗の罪で7年間服役し、オレンジ治療院で受付のアルバイトをしている。江口綾香(41歳)は、夫の暴力に耐えかねた末の夫殺しで5年間服役し、パン職人を目指し修行中。

亡き祖母の家に一人住まいの芭子と近くのアパートに一人住まいの綾香は、連れ立って外食をしたりおかずを持ち寄って夕食を共にする慎ましやかな日々を送っているが、そこに難題が降りかかる。綾香は詐欺に会いパン店開業用にと貯めていた70万円を失い、芭子はアルバイト先の治療院でセクハラを受け仕事を辞めてしまう。また、追い打ちをかけるように芭子は音信不通の実家から分籍の申し出を受け、綾香はパン店の先輩から手ひどいパワハラを受けるようになる。

いつも控えめで意固地な芭子と悩みを隠していつも明るく振る舞う綾香、この二人のこれからに目が離せない。

既読とは思えない面白さ!乃南さんの小説、ほんと面白い!!!

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