評価
鳥と会話ができるお兄さんを持つ小鳥の小父さん。両親を亡くし、お兄さんも亡くした小鳥の小父さんの「二人の暗号が通じ合う」小鳥と人々との触れ合いを追った物語。静謐な言葉が透明な世界を描き出す作家小川洋子の傑作。
「二人の暗号が通じ合う」
文鳥、メジロ、ポーポー語を話すお兄さん、小鳥ブローチ、図書館司書、河原のおじいさんの虫箱、、、こんな作者の仕掛けにぞくぞくしながら読み進んだ。小鳥とのやり取りを中心に小鳥の小父さんの人生を語る物語が続くのだが、その世界にのめり込んで一字一句も見逃さないように慎重にページをめくる。珠玉の一品。小川洋子の世界に心行くまで浸かった。
メジロのさえずりが今にも聴こえて来そうだ。
「チィーチュルティーチュルチチルチチルティー、チュルチチルチチルチュルティー」
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