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難民受け入れ大国 スウェーデンはいま

2017-01-05 07:15:00 | 報道/ニュース

12月9日 キャッチ!


スウェーデンは難民に対する手厚い保護政策で知られ
多くの人民を受け入れてきた。
しかし去年
流入する難民の数が倍増したことで国民の不満が高まる。
人口980万人のスウェーデンに
去年入国した難民は16万人。
国民1,000人あたり16人の難民を受け入れた計算で
この割合はドイツの3倍にもなる。
スウェーデン政府は政策を大きく転換し
難民の入国を厳しく制限するようになった。

首都ストックホルムの中央駅に押し寄せる難民たち。
去年9月は
1週間で1万人の難民がスウェーデンに押し寄せ
周辺は野宿する難民たちであふれた。
1年後
国境管理を厳格化したことで駅は落ち着きを取り戻している。
それでも週に500人ほどの難民が今もスウェーデンにやってくる。
(シリア難民)
「アレッポから来ました。
 シリアでは家も壊され
 “死”以外何もありません。」
(イラク難民)
「欧州で1番人道的な国なのでここに来ました。」
難民たちをひきつけているのはスウェーデンの手厚い保護政策である。
2年前にやって来たシリア難民のイマーンさん一家。
ダマスカスの自宅は空爆で破壊された。
当初はエジプトに避難したが
重い皮膚病に掛かっている娘の治療を受けるため
地中海を船で渡りスウェーデンにやってきた。
(シリア難民 イマーン・ジョハさん)
「他に選択肢はありませんでした。
 娘のために危険を覚悟で来ました。」
滞在許可を得たイマーンさんはスウェーデンで介護の仕事に就いた。
そして娘の医療費は全額免除されている。
(イマーン・ジョハさん)
「娘に必要な治療を受けさせることができました。
 とても満足しています。」
長年 移民や難民の手厚い保護政策を続けてきたスウェーデン。
しかし難民が急増するなかで政策の見直しを求める声が高まっている。
(市民)
「これ以上受け入れるのは無理です。
 母国で支援を受けるべきです。」
「欧州は多くの難民を受け入れていますが
 各国で平等に分担すべきです。」
各地で行われる移民排斥のデモ。
難民施設への放火事件も相次いでいる。
“反移民”を訴え支持を伸ばすスウェーデン民主党のキャンペーンビデオは
移民の増加でホームレスや犯罪が増えたと訴え
スウェーデンに来ないよう呼びかけている。
(スウェーデン民主党国会議員 マルクス・ビッシェル氏)
「国民が収めた高額な税金が
 移民の住居・教育・医療に使われています。
 税制に多大な負担をかける最大の問題です。
 病院の待ち時間が長くなったのも彼らのせいです。」
国民の不満を背景に
スウェーデン政府は去年11月
難民の受け入れ政策を転換。
これまで無期限だった難民の滞在許可を原則3年間とし
家族の呼び寄せも制限した。
さらに大都市に集中していた難民の受け入れを
全国の自治体で分担する新たな法律を施行。
希望に反して地方へ移送される難民たちが増えている。
(移民局広報 ヘレーナ・ヨルキさん)
「難民を多く受け入れる自治体がある一方で
 全く受け入れない自治体がないように行った政治的決定です。
 住宅不足で受け入れが難しい自治体があることもわかっていますが・・・。」
ストックホルムから北へ約1,000キロ。
北極圏に位置するキルナ市。
2年前までほとんどいなかった難民が
今では500人以上暮らしている。
難民隊の多くが
南部の都市から
最低気温がマイナス40度近くにもなる北の果てに移送されたことに戸惑いを感じている。
(シリア難民 ムハンマド・サッラージュさん)
「こんな場所に来るなんて思いもよりませんでした。
 ストックホルムなどの大都市ならもっと良い生活ができるのに。」
キルナ市は難民たちが社会に溶け込めるよう
スウェーデン語を教える無料の学校を拡充した。
しかし受講希望者が急増し教師の数が足りない。
(語学学校教師 リンダ・スタンブロさん)
「毎月新しい生徒が入ってきます。
 大変ですが刺激的でやりがいがあります。」
キルナ市は
住宅の確保など大きな負担を強いられる一方で
過疎化が進むなか
難民たちが定着してくれることに期待も感じている。
(キルナ市 移民担当 モニカ・イサークソンさん)
「我々にとって最大の課題は人口が少ないことです。
 高齢化も進むので
 もっと多くの移民や難民を受け入れる必要があります。」





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