1月18日 国際報道2017
日本の技術を使った今注目のクリーンエネルギー「小水力発電」。
海外進出も始まろうとしている。
田園地帯が広がる富山。
張り巡らされた用水路の先にある装置は小水力発電機である。
水力発電は
水が高いところから低いところへ流れるときのエネルギーを利用して発電する。
特に農業用の用水路などを利用する小規模なものを「小水力発電」と呼ぶ。
常に水が流れていて
安定した発電が出来るのがメリットである。
こうした小水力発電機のメーカーのひとつ
陸精機の開発担当の南弘雄さん。
南さんの会社では小水力発電機の中でもより小型の発電機を作っていて
平均的な家庭10世帯が1年間に使う量を発電できる。
(小水力発電機メーカー 北陸精機 南弘雄さん)
「川に置いているだけなんです。
これが特徴なんです。
普通の水力発電はこんな小さなものはあまりない。」
もともと除雪車などに取りつけるスクリューなどを手掛けているこの会社。
スクリューを水車の羽に応用し
弱い力でも効率的に発電できるようにしたという。
「らせんを切ったような状態の羽になっている。
加工もしやすいし
水を受けてみると形状が簡単で良かった。
うちで開発しました。」
発電機は1台約1,000万円~。
すでに全国各地で導入されているが
今年はさらに海外への進出も見据えている。
ターゲットは目覚ましい経済発展が進むミャンマー。
電気が普及している地域は国全体の約3割にとどまる一方
稲作が盛んで農業用水路が多いことに注目した。
そこでODA政府開発援助の事業に参加。
JICAから受注し最大都市ヤンゴンから500㎞ほど離れた農村への納入が決まった。
この日はJICAの職員と共に準備の状況を確認した。
(JICA北陸 仁田知樹支部長)
「いま見た装置がまもなく現地の無電化の村に入っていくことにわくわくしています。
結果に期待したい。」
製品の性能を認めてもらい進出の足掛かりにしたい。
南さんの期待が膨らむ。
(小水力発電機メーカー 北陸精機 南弘雄さん)
「世界的に第一線をいっている会社にしたい。
そういう思いです。」
この会社では今後現地での生産体制を整え
コストを今の4分の1に抑えることを目指すということである。