12月26日 キャッチ!
ソウル市内 朝6時。
お揃いのユニフォームを着た女性たちが
乳酸菌飲料やチーズ コーヒーなどの商品を専用の電動カートに積み込む。
そしてまだ日が昇りきらない街中へと出動。
日本でもよく知られているヤクルトの配達・販売である。
家庭や職場に商品を送り届ける女性たちは
「ヤクルトおばさん」を意味する「ヤクルト・アジュンマ」として親しまれている。
会社の売り上げの90%以上がこうした女性たちの販売によるものである。
主な客層は会社員や主婦らだった。
ところが今年
若い学生らの間で人気急上昇中だという。
人気の秘訣はアプリ。
その名も「ヤクルト・アジュンマさがし」。
電動カートで移動する女性たちがどこにいるのか
リアルタイムで地図上に表示する。
今年3月ごろからSNSなどで話題になり
すでに約14万件ダウンロードされた。
韓国の食品業界のアプリとしては異例の人気である。
ヒットの秘密はゲーム感覚で販売女性たちを探せること。
ポケモンGOに通じるものがある。
さらに会社側が
一部の商品はコンビニなどに置かず
販売女性を探さないと買えないようにする仕組みも的中した。
インターネット上には
「アプリを使って商品をゲットできた」と報告する写真があふれている。
世界有数のIT先進国である韓国。
スマートフォンの普及率も極めて高いだけに
多くの企業がいま独自のアプリを開発して業績アップにつなげようとしている。
赤ちゃんを育てるゲームアプリは
豆乳などを販売している食品会社のものである。
入浴させたり寝かしつけたりとこまめに赤ちゃんの世話をすれば
この会社が運営するオンラインのショッピングモールで
豆乳や生活用品を購入するのに使えるポイントがたまる。
会社としてはショッピングモールへのアクセス数を確実に増やせる。
「ヤクルト・アジュンマさがし」を愛用している学生は
毎週街中で販売女性を見つけては乳酸菌飲料を買うようになったという。
「ワクワクしちゃいます。
アジュンマたちが地図上に現れて
近くにいる人を探しに行って見つけられるとうれしいです。」
販売歴が20年を超える女性も
急に若い人たちが来るようになって驚いていると言う。
(販売員)
「若いお客さんが増えました。
以前は接点がなかった人たちですが
アプリで私たちを探してくれて
コーヒーや乳酸菌飲料を買う人が増え
売り上げも伸びています。
私たち販売員とお客さんとの距離も縮まりました。」
(韓国ヤクルト営業チーム長)
「これほどの効果を想像できませんでした。
お客さんは百貨店などに行くか販売員から商品を買っていましたが
今はオンラインでの注文が増え続けています。
スマホ用アプリの重要性が高まり
しっかり対応すべきと考えています。」
商売繁盛はスマホの活用から。
アプリを通じた販売促進はこれから一段と熱くなりそうである。