12月17日 経済フロントライン
ロシアでのビジネスの難しさ
特にエネルギーの分野では
これまで国家レベルといってもいいリスクとか国際情勢に
日本の企業が何度も翻弄されてきたいきさつがある。
北海道の北にある島 サハリン。
1990年代から石油と天然ガスの本格的な開発が行われ
日本の大手商社や政府も事業に参画してきた。
稚内から北へ149㎞余のところに
巨大なLNG液化天然ガスの生産プラントがある。
ここで生産されたLNGの7割が日本に輸出され
日本のLNG事業の10%を支えている。
プロジェクトに参加している大手商社三井物産の米田浩一郎さん。
サハリンに毎月のように出張し
ロシアの政府系企業と間で協力をさらに深めていくための話し合いを進めている。
(三井物産 米田浩一郎さん)
「私たちのビジネスは1年2年単位のものではない。
10年20年30年という単位のビジネスだ。」
(ロシア政府系企業 担当者)
「ロシアのイノベーション気質が日本の規律気質と組み合わされば最高。
相乗効果は素晴らしいものになる。」
(三井物産 米田浩一郎さん)
「ロシアという国はばく大な資源を持っている。
日本にはばく大な需要もある。
長期的に考えれば非常にメリットがある。」
しかし開発の道のりは平たんではなかった。
2000年代に入ってロシアで資源ナショナリズムが台頭。
開発が外国に頼らす自国で行うべきだという世論が高まった。
(プーチン大統領)
「外国資本の参画を制限する基準を策定し
強化していく必要がある。」
2006年 三井物産がかかわる開発も環境対策の不備を理由に
ロシア政府から突如ストップがかかった。
8割がた工事が終わっていた国際プロジェクトも一時中断するという異例の事態だった。
そして2014年
ロシアはウクライナ南部のクリミアを併合。
欧米から厳しい経済制裁を課された。
(オバマ大統領)
「ウクライナへの侵入を続ければ
さらなる代償を払うことになる。」
サハリンの石油開発に加わっている一部のロシア企業は制裁の対象となったたままである。
今後の国際情勢によってプロジェクトが影響を受ける懸念もある。
こうしたロシアならではのリスクや
寒冷地での開発に伴うトラブルなどを乗り越え
サハリンでのエネルギー開発は続けられている。
(三井物産 米田紘一亮さん)
「想定外のことも当然いろいろと起こる。
想像もできないような事実が途中で判明するというのもある。
問題をひとつひとつクリアしていった結果
現在こういう状況にやっとなれた。」