1月6日 おはよう日本
大阪にあるカフェのトイレにあるのは やかん。
じつは水道の蛇口である。
開発したのは大阪に本社がある水道用品メーカー。
ショールームには様々な形の蛇口が展示されている。
怒ってほっぺたを膨らませている様子を表現した蛇口。
長~い蛇口。
こうしたユニークな蛇口はこの会社では4年前から主に飲食店向けに販売を始めた。
しかし単にウケを狙ったわけではない。
(水道用品メーカー 多田修三副社長)
「自分たちの力で何かを作りたいと思った時に出てきたのが
関西だからでしょうか
お笑いだった。」
開発のきっかけはバブル崩壊の後に味わった苦い経験だった。
当時 会社が主に作っていたのは水道関連の交換部品。
企画どうりの製品だった。
しかしその需要が落ち込み
売り上げが激減。
さらに多くの従業員が仕事に夢を持てず会社を去っていった。
そこで副社長の多田修三さんは
“面白いは会社をおもしろくする”という考え方で社内を活性化しようとした。
(水道用品メーカー 多田修三副社長)
「『この形作れ』って言われたら面白くないですよ。
『おもしろいもkの頼むわ』って言われたらやる気が出る。」
面白いオリジナル商品を作ろうという考えは会社を大きく変えた。
従業員たちが積極的に開発にかかわるようになったのである。
蛇口のデザインを社内で募集したところ
700を超えるアイデアが集まった。
その中から最初に商品化されるのは2つ。
ダイエットをして筋肉ムキムキになったという感じの蛇口。
そしておでんの蛇口は一番上のこんにゃくを回すと竹串から水が出てくる。
さらに製造現場の意識も大きく変わった。
従業員自ら創意工夫を重ねるようになった。
たとえば長い蛇口は
継ぎ目がなく
この会社では以前はこれほどの長さのものを作ることができなかった。
蛇口は高温で溶かした金属を型に流し込んで作る。
しかし長い部分を作ろうとすると
金属が冷えて途中で固まってしまうのである。
そこで掃除機を使った。
金属が固まる前にいきわたらせることができるようになった。
(水道用品メーカー 多田修三副社長)
「“もっと面白くしてやろう”ごか
“こうしたら面白いじゃないか”とかそういうことをやり始める。
それを実現するために設備を改造してみる。
今まで開けたことがないところを開けて調整してみるとか
そういったことをどんどん挑戦してくれた。」
ユニークな蛇口によって知名度が上がり
業績がアップ。
発売前と比べて全体の売り上げは2割以上増えたという。
多田さんにとってさらにうれしいのは
会社を辞める従業員がほとんどいなくなったことである。
(水道用品メーカー 多田修三副社長)
「自分たちの仕事が楽しくなる。
誇りを持つということが一番大切なことだと思います。
それによって会社は良くなっていく。」