10月9日 おはよう日本
大津市の醸造所代表の山下友大さん。
香りが特徴の発泡酒。
何年の熟成させたチーズのような濃厚な風味。
ふなずしでつくられている。
ふなずしは滋賀の郷土料理。
びわ湖でとれた二ゴロブナを塩漬けにし
さらにごはんに漬け込んで発酵させたもので
独特の香りが特徴である。
この香りが発泡酒の味に深みを与えている。
山下さんは今年4月にバーを併設した醸造所をオープンしたばかり。
東京でビール作りを学び
これまで地元の食材でビールや発泡酒を作ってきた。
そんななか新たに挑戦したふなずし発泡酒。
古くからふなずしづくりが行われてきた来た野洲市から
グルメイベントの呼び物にしたいと開発を依頼された。
(山下友大さん)
「“おもしろ おいしいビール”を造ろうというモットーでやっている。
ふなずし発泡酒の話をいただいたときに
おもしろいじゃないですか。
なんとかしておいしくしたいと思った。」
そして始まったふなずし発泡酒造りだが問題が潜んでいた。
それが発酵食品であるふなずしに潜んでいる乳酸菌。
ビールや発泡酒では
麦芽を入れて作った麦汁にイースト菌を入れて発酵させることでアルコールを生成する。
しかし乳酸菌はこの働きを邪魔してアルコール生成を妨げる。
(山下友大さん)
「乳酸菌はビール屋からしたらできるだけ排除したい。」
そこで山下さんが工夫したのが
ふなずしを入れるタイミング。
アルコールが生成された後に投入することで
乳酸菌に邪魔されず発泡酒にふなずしの風味を加えることに成功した。
こうしてできあがったふなずし発泡酒。
この日発泡酒づくりを依頼した野洲市の担当者 松井健作さんが訪ねてきた。
ふたりで味を確認する。
松井さんは実はふなずしが苦手だそうだが
「これだったらふなずし嫌いな人もいける。
“ちょっとフナさんがいらっしゃる”という感じ。」
松井さんも手ごたえを感じている様子である。
(野洲市担当者 松井健作さん)
「ふなずしのにおいも残っているけど
かなり飲みやすくでき上がっている。
野洲市に来ていただいて“こんな発泡酒あるんだ”と発見してもらって
野洲市の名前を売りたい。」
「楽しみ お客さんにどんな反応をしてもらえるか。
キャーキャー言ってほしい。」
滋賀県特産ふなずしの新しい楽しみ方が生まれている。
(醸造所代表 山下友大さん)
「罰ゲームに出てくるものではなくて
本当に楽しんでもらえるものにしていきたい。」