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律儀な教え子、飾らない人柄の名伯楽

2019-07-16 07:00:00 | 報道/ニュース

6月22日 読売新聞編集手帳


 古代中国の伝説的な馬の目利きであった「伯楽」は、
転じて、
優れた資質を持った者を見抜く力のある人物を言う。

ではあなたは名伯楽ですね、
と聞かれ、
そうではないという趣旨の答えをいま、
全国に響かせるバスケットボールのコーチがいる。
米ゴンザガ大・八村塁選手(21)の中学時代の恩師、
坂本穣治さん(59)である。
「NBAを目指そうと言ったのは、
 じつは練習に励んでもらうための口実でした」

ところが八村少年は本気にした。
体育館に誰よりも早く来て練習するようになったといい、
その夢が9年後、
現実となる。

NBA(米プロバスケットボール協会)のドラフト会議で、
八村選手が日本人初となる1巡目指名を受けた。
坂本さんは自身が経営する富山市の会社にいた。
そこに指名から2時間半後、
電話が入る。
「やりましたよ。
 すべてはコーチから始まりました」。
携帯を耳にあてながら涙する坂本さんの写真をきのうの夕刊(東京4版)に見た。
律義な教え子といい、
飾らない人柄の名伯楽といい、
すがすがしい風が富山から吹いてきた。

これほど人を大きく豊かに育てた「口実」を知らない。

 

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働き方めぐって物議 中国 “996”問題

2019-07-15 07:00:00 | 報道/ニュース

6月21日 国際報道2019


中国で話題のネット動画。
♪ 昼も夜も残業だ
 7日間24時間
 携帯電話はつなぎっぱなし
 996を愛している
 でもこれじゃ病院行きだ
 会社がくれる幸せを受け止めきれない
ブラックな雇用環境を告発するため企業の実名をさらす動きも。
時から
時まで
日の労働
とりわけIT業界などが急成長を遂げたものの
その裏では長時間勤務が蔓延している実態を表したものである。

中国南部の商業都市 広州。
オフィスビルは夜遅くまで明かりが消えることはない。
夜9時過ぎ
ようやく帰宅する人たちの姿が増えてきた。
「週6日
 朝7時半から夜9時半まで働いています。
 疲れますが仕方ありません。」
「競争が激しくて・・・
 本当はこんな働き方はしたくないのに。」
“996問題”が顕著なのが中国の経済成長をけん引してきたIT業界である。
ベンチャー企業が続々と誕生する裏で
働き手は激しい競争にさらされている。
陳さん(30)はホテルの予約アプリを運営する企業で働いている。
競争に生き残るため業界では長時間勤務が常態化。
プレッシャーで体調を崩す同僚は後を絶たず
陳さん自身 不眠症になったことがあるという。
(陳さん)
「頑張って働かなければ他の同僚に取って代わられます。
 同僚にはプレッシャーで病気になったり
 頭髪が抜けたり
 不妊になる人もいます。」
そこに追い打ちをかけたのが景気の減速である。
去年の後半から業界で相次いだリストラ。
その影響で残業も増えたという。
陳さんの場合 忙しいときは週に7日
朝9時から日付が変わるまで働くこともある。
(陳さん)
「何時だろうとすぐに変身しないといけません。
 私も996の労働者です。」
深刻渇する“996問題”は社会問題に。
国営の中国中央テレビは
長時間勤務を強いられた若者が情緒不安定になる動画を伝え波紋を広げた。
一晩中残業だったんだ!
すごいプレッシャーなんだ
毎晩12時まで働いて・・・
社会に議論が広がるなか火に油を注いだのが
中国のネット通販の最大手アリババを創業したジャック・マー会長の発言である。
(アリババグループの創業者 ジャック・マー会長)
「私を996で批判する人は多いが
 私は996の労働でもまだ足りないと思う。
 そうしなければ社会も生活も向上しない。」
中国のIT業界で成功者の象徴ともいえるマー会長。
長時間労働を奨励したとも受け止められ批判が相次いだ。
“996で犠牲になっているのは時間だけではない
 尊厳と家族への関心だ”
“996で体が壊れ倒れたら家族はどうしたらいい?”
目まぐるしいスピードで成長を続けてきた中国経済の最前線。
そこに生じたひずみが
働く人々を苦しめている。



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「県民衛星」開発で宇宙ビジネス育成

2019-07-14 07:00:00 | 報道/ニュース

6月21日 おはよう日本


今年4月に完成公開された超小型衛星のモデル機。
福井県内の企業4社などが共同開発した。
縦横10cm
長さ30cmとコンパクトなこの衛星。
費用が安く短期間で製造できるのが長所である。
(開発チームリーダー セーレン電子 山田さん)
「衛星を作る
 しかも量産型で世界と戦える状態に対してどうだ
 そう言われてみると
 もうけっこう7割とか8割とかの段階まで来ている。
 そう我々は思っている。」
この技術を生かしていま福井県が作ろうとしているのが「県民衛星」である。
縦横60cm長さ80cmと一回り大きい小型衛星で
宇宙から地上を撮影し
精度の高い画像データを送る機能を備える。
背景には県内の産業がおかれた厳しい現状がある。
(県 新産業創出課 堤参事)
「経済が縮小に向かう恐れを非常に感じているなかで
 やはり新しい産業というのを立ち上げていく必要があるんじゃないかというふうに考えたのが発端。」
平成の初めに1千億円を超えていた「眼鏡フレーム」の出荷額は20年余で半減。
もう1つの基幹産業「繊維」の事業所数はこの20年で5分の1に減少した。
県内産業の生き残りをかけて宇宙ビジネスの創出に狙いを定めた福井県。
約4億円の費用を投じて県の施設の中に衛星開発のための新設備を整備した。
1800ワットもの強力な光を当てる設備。
衛星のソーラーパネルが宇宙で太陽光に耐えられるか確かめることができる。
「振動試験機」はロケットで打ち上げられる際の衝撃に耐えられるかどうか
あらゆる方向から激しい振動を与えて確かめる。
小型衛星の性能試験は一通りこの場所で行うことができ
県によるとこれだけの設備がそろった施設は全国でも数少ないということである。
この施設で5月から「県民衛星」の開発・設計に向けた動きが本格的に始まった。
集まってくるのは福井県の伝統産業「繊維」や「眼鏡フレーム」の製造にかかわる企業の人たちである。
日頃は「眼鏡フレーム」を削る機械の組み立てが専門のメンバー。
その技術は精密な作業が求められる衛星の組み立てにも生かされているという。
(開発メンバー 鯖江精機 大久保さん)
「この会社で組み立てとか経験して
 そういったのがわかってきて
 今までの業務が少しは生きてるのかなと。」
さらに衛星の心臓部分となる基盤の製造には中小企業ならではのノウハウも生かされている。
(開発メンバー セーレン 荒井さん)
「ふつう人工衛星だと宇宙船用の部品を使うが
 我々はそういう部品を使わずに普段使い慣れた民生部品を使うことで
 コストと開発工数を削減している。」
福井県が来年の打ち上げを目指す「県民衛星」。
たとえば去年のような記録的な大雪で地上からの状況把握が難しい場合でも
衛星からの画像データがあれば
渋滞の恐れがある道路などを随時把握して優先的に除雪できる可能性がある。
(県 新産業創出課 堤参事)
「過去には福井豪雨とか
 まだ記憶に新しい大雪
 こういったものでやはり何年に1回か発生する恐れはこれからもあるのではないかと思っている。
 どういった使い方ができるかというのもいろいろ掘り起こしていくことが必要かと思う。」

福井市では宇宙に関する国内最大の国際シンポジウムISTSが6月21日まで開かれ
福井県の担当者も県独自の衛星を持つメリットを国内外の研究者などにアピールしていた。
地方初の宇宙ビジネスに期待が寄せられている。


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中国で広がる“クローンペット”ビジネス

2019-07-13 07:00:00 | 報道/ニュース

6月20日 国際報道2019


1996年にイギリスで誕生したクローン羊のドリー。
ドリーの誕生は世界に衝撃を与え
人の手で生命を作り出すのは倫理的に問題があるとして非常に強い懸念が広がった。
ドリーが作り出されたとき
まず元の羊の細胞が別の羊の卵子に移植された。
そしてその卵子が代理母となる羊の子宮に入れられて
出産の結果
元の羊と同じ遺伝子を持つクローン羊が生まれたのである。
当時はこの技術が人間のクローンにまで行きつくのではないかという警鐘が鳴らされた。
しかしそれから20年がたち警戒感は薄れていて
クローン技術は他の動物への応用が進んでいる。
特に中国ではペットにまで広がり始めている。

中国で売れっ子のタレント犬 果汁。
小さいとき体の毛の一部がオレンジに似ていたことから名づけられた。
これまでに8本の映画などに出演している。
出演料は1日約30万円と中国ではトップクラスである。
ただ気がかりなのが年齢。
推定9才と
人間でいえば50代である。
最近は体力的に撮影が厳しくなってきたという。
(ドッグトレーナー)
「撮影はまだできますが
 年をとり体力的に長時間の撮影は厳しくなってきました。」
そこで果汁を所有するプロダクションは思い切った方法をとった。
クローンの技術を使って後継者を作り出すことにしたのである。
現在 生後8か月の果汁のクローン。
果汁とともに演技の訓練を受けさせタレントデビューを目指している。
(ドッグトレーナー)
「いずれはクローンを果汁の代わりに出演させます。
 果汁の子犬役で共演させるのもいいですね。」
果汁のクローンを作ったのは2012年に設立された北京のベンチャー企業である。
飼育されているのはクローンを作るための代理母となるビーグル犬。
会社は去年 独自の技術を生かしてクローン犬を作るビジネスを始め
さまざまな種類の犬のクローンを作り出すことが可能である。
果汁のクローンもこの施設で生まれた。
費用は1匹あたり日本円で約600万円するが中国全土から問い合わせが相次いでいる。
(SINOGENE 副社長)
「今年は100~200件の受注を目指し
 2~3年後には300~500件まで増やしたい。
 中国のペット産業は急成長している。
 クローンペットの技術を知ってもらえれば需要はある。」
クローンのビジネスが広がる背景にあるのが中国で起こっている爆発的なペットブームである。
去年の市場規模は2兆7,000億円を突破。
(ドッグショーの参加者)
「クローンについて機会があれば考えるし支持します。
 お金の問題ではなく愛情の問題ですからね。」
「犬を買ったときに大金を払ってますからクローンのお金くらい大丈夫です。」
クローン犬を作ってもらおうと考えている重慶に住む親子。
家族同様に育ててきた愛犬が10才を超え衰えてきたことを心配している。
そんなときに知ったのがクローン犬を作ってくれる北京の会社の存在だった。
「この犬がいなくなると思ったらとても悲しくなってしまい
 クローン犬が来れば元と同じでなくても姿が似ていれば心が癒されると思いました。」
この日向かったのは地元の動物病院。
クローンを作るのに必要な体の細胞をとるためである。
作業はわずか数分で終了。
細胞を宅配便で北京の会社に送り
数か月後 愛犬のクローンが誕生する予定である。
「10か月後には来るということなのでとても期待しています。」
「犬が来たらたくさん写真を撮りたいです。」

中国ではクローンペットに関するビジネスに否定的な雰囲気はあまりない。
クローンをめぐってはクローン人間を作ることは中国でも日本や他の国と同様に禁止されている。
クローンのペットを作ることに規制はないため中国ではビジネスとして広がろうとしている。
しかし専門家は規制がないペットであっても倫理上の問題は多いと指摘する。
(北海道大学 石井哲也教授)
「1匹1匹の大切な命を大切に扱わない恐れが出てくると思う。
 仮にクローンのペットが病気になっても十分に看病せず
 またクローンの動物を作ればいいという話しになってしまう。」
今の中国では倫理的な問題よりも実利的なことに関心が集まっている。
たとえば多くの犬の中から素質のある犬を選抜する手間が省けるとして
雲南省では警察犬のクローンが作られ訓練が進んでいるという。
クローン犬に関する問い合わせをしてくる客は大きく3つのグループに分かれるという。
1つは家族同然のペットを失いたくないという愛犬家である。
次に警察犬や麻薬犬などを作ろうという政府の公的機関。
そして3つ目のグループは犬の繁殖などを行う業者。
中国では富裕層をターゲットにして
1千万円を超えるような高価な犬を海外から輸入して販売する業者があるという。
問い合わせをしてきた業者はそうした高価な犬のクローンを作り販売しようというのではとみられる。
業者はペット大国の日本でもクローンのニーズは高いとみていて
日本からも注文を受けたいと話す。
技術が急速に発展するなか
ペットとは
命とは
真剣に考える必要がある。


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インドネシア 災害広報官 真実を伝え命を守る

2019-07-12 07:00:00 | 報道/ニュース

6月19日 国際報道2019


インドネシア当局がツイッターで発信した災害の情報。
刻々と変わる状況をたった1人の広報官が伝えていて
その情報発信力の高さは世界的に知られている。
SNSが急速に普及しているインドネシアでは
災害時に人々の不安をあおるような偽情報が拡散することもあり
危機感を抱いた広報官が
日々強い信念をもとに情報発信にあたっている。

去年 大きな地震や津波が相次いだインドネシア。
混乱のなかで
連日 災害の情報を伝え続けたのが国家防災庁広報官
ストポ・プルウォ・ヌグロホさん(49)である。
ツイッターやインスタグラムを使い現地から送られてくる情報を映像付きで発信。
刻一刻と変わる現場の状況に応じて
どこにどんな危険があるのか次々にメッセージを更新し
人々にいち早く命を守る情報を伝えてきた。
インドネシア国内だけではなく海外メディアもその発信力に注目し特集記事が組まれるほど。
インドネシアのジョコ大統領からも厚い信頼を得ている。
(インドネシア ジョコ大統領)
「ストポさんは災害時にいつもすばやく情報を伝えてくれる。
 ストポさんの献身に対して私は非常に感謝している。」
(ストポ広報官)
「SNSは情報をすばやく伝えることができます。
 通常の方法なら情報の伝達は遅れていたでしょう。」
ストポさんが大切にしているのは
どんなときでも正直に真実を伝えること。
きっかけとなったのは2009年
ジャカルタ近郊でダムが決壊する事故がおき100人以上が犠牲になったときのことだった。
当時 事故原因の調査にあたったストポさんは
決壊する前ダムにひびが入っていたことをいち早く突き止めた。
これはダムを管理する当局にとっては公表したくない事実だったが
ストポさんは躊躇することなく公表に踏み切ったのである。
(ストポ広報官)
「関係者から疎まれたり反発されたりしました。
 しかし私のモットーは真実を伝えることです。
 人々にとって切実な関心事ですから。」
こうした強い信念がかわれ広報官に抜擢されたストポさん。
災害時には多くの人々にとって最も頼りになる情報の発信源となっている。
ストポさんのツイッターに寄せられたコメント。
「ストポさん
 今パルでまた地震がありました
 情報の更新をお願いします」
「ストポさんのおかげでスラウェシにいる身内の安否を確認できました」
(ストポ広報官)
「災害時に人々はパニックに陥るので
安心できる正しい情報が必要なんです。」
ストポさんは実は去年1月
ステージ4の肺がんと診断されたのである。
医師からは長くて3年の命だと宣告された。
(ストポ広報官)
「死の影が立ちはだかり本当にショックでした。
 子どもはまだ小さく
 家族も私を必要としています。」
日に日に強くなる痛み。
がんはすでに背骨にまで転移していた。
上着の下に付けているのは痛みをやわらげるコルセット。
本来なら仕事を続けられる状態ではない。
それでも災害が起きたとき人々が不安やパニックに陥らないよう
自分が伝えなければという思いが頭から離れない。
悩んだ末
病を押してでも広報官として情報を発信し続けることを決意した。
がんの薬の影響で指の感覚がなくなり思うように動かなくなるなか
今もほぼ毎日 発信を続けている。
災害広報官として歩んで9年。
自らの情報が1人でも多くの命を救うことになればと願い
真実を伝え続ける。
(ストポ広報官)
「わが国の災害対策が改善され
 市民が災害への心構えを持てるよう望んでいます。
 人々が私を必要とする限り
 痛みと闘い続けます。」

 

 

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世界最大級アニメ映画祭 日本の“手描き”に注目!

2019-07-11 07:00:00 | 報道/ニュース

6月17日 国際報道2019


6月にフランスで開かれたアヌシ―国際アニメーション映画祭。
世界最大級のアニメの映画祭である。
日本のアニメ監督による差深海に大勢の人が集まった。
(来場者)
「日本のアニメが大好き。
 ヨーロッパのアニメとは全然違う。」
映画祭の一角で今回初めて行われたのが第一線で活躍する日本のアニメーターによる講習会である。
学ぶのは日本で主流の手描きによるアニメの描き方。
アニメ業界を目指す若者たち21人が参加した。
参加者の1人エーデルワイス・バジさん(19)。
「普段はコンピューターを使ったアニメーションを学んでいますが
 日本で主流の手描きのアニメにもとても興味があります。」
幼い頃から日本のアニメが大好きだったというバジさん。
7歳から漫画を描き始め
15歳のときには地元の漫画コンクールで賞を取ったこともある。
自分の表現力にさらに磨きをかけたいと講習会に参加した。
「大事にしたいのは体の動きを分析することです。
 私たちが描くのはロボットではなく生身の人間なのですから。」
今回講師を務めた押山清高さん。
これまでジブリ映画など数々の原画を手掛けてきた。
世界のアニメ業界ではいま急速にデジタル化が進んでいて
コンピューターでキャラクターを動きを作るのが主流になってきている。
しかし日本ではいまでも動きを1枚1枚動きを手描きしていくことが重視されている。
動作の基礎を手の感覚に刻むことで
コンピューターではできない豊かな表現が生まれると押山さんは言う。
講習会では箱を持ち上げる動作をパラパラ漫画として描く課題が出された。
バジさんも実際に体を動かしながら動作を注意深く観察。
その動きをキャラクターに落とし込んでいく。
しかし押山さんに見せると
「このキャラクターの顔の向きを意識していますか?」
「私の考えではまっすぐ前を向いています。」
「前を向いています。
 これは斜め下を見ています。
 これでまた前を
 そしてまた下を向きます。
 短い間の中で視点の方向が変わりすぎてカクカクしてしまいそうです。」
「確かに変ですね。」
再びペンをとったバジさん。
目線の変化を意識して絵を修正していく。
(アニメーター 押山清高さん)
「最終的なアウトプットの段階では
 モーションキャプチャー(コンピューター)で得られた動きも整理しなくてはならなかったり
 物語に合わせて微調整を加えなければならない。
 自分で動きを作れる感覚が歩かないかで仕上がりが変わると思う。」
最後は完成したパラパラ漫画を披露した。
指摘された顔の動きもスムーズになった。
(エーデルワイス・バジさん)
「私もいつか誰の真似でもない作品を作れるようになりたいと思いました。
 “これが私流よ”なんて言えるようなね。」




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中国四川省シャンシャンの故郷 “パンダの里”

2019-07-10 07:00:00 | 報道/ニュース

6月15日 おはよう日本


四川省の中心部から車で2時間。
標高1700メートルの山間にある世界最大のパンダの研究センター。
たくさんの小さなパンダたちが迎えてくれる。
現在 去年生まれた子どもたち18頭が暮らしていて
“パンダの幼稚園”とも呼ばれている。
実はパンダはここ数年ベビーラッシュ。
繁殖や育成の技術が上がり
世界で飼育されている数は15年で3倍以上に増えている。
(飼育員)
「今年は育っている数が一番多いです。
 みんな健康で元気いっぱいで人懐っこいですよ。」
パンダの数を増やすのに貢献するのが海外から帰ってきた子どもたちである。
おととしアメリカの動物園から帰ってきたバオバオ(6)。
お年頃の6才になり
まもなく交配が期待されている。
実はパンダの繁殖は中国が一元的に管理していて世界中の動物園が協力している。
シャンシャンのように2才になるともう大人。
四川省の拠点に戻って性格や遺伝的な性質がマッチするパートナーと繁殖する。
生まれた子どもがまた世界に貸し出されるのである。
拠点となる施設は4か所あり
シャンシャンも帰ったら自然に近い環境で繁殖に取り組むことになる。
(パンダ保護研究センター 常務副主任)
「シャンシャンが戻ったらパートナーも見つかるし子どもも産まれるでしょう。
 家族が帰ってくるようなものですからどうぞ安心ください。」
 




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北海道 北見から・・・ふるさとを描く新人漫画家

2019-07-09 07:00:00 | 報道/ニュース

6月14日 おはよう日本


北見市内の書店にできた長い列。
サインをしているのは北見市で活動する新人漫画家 田川とまたさん(26)。
田川さんが描いているのは去年9月から大手の漫画雑誌で連載が始まった
「ひとりぼっちで恋をしてみた」。
北見市を舞台に
女子高校生が人との出会いを通じて成長していく青春漫画である。
雪が降り積もった駅前や
郊外の住宅など
北国ならではの雪景色が忠実に描かれている。
(漫画家 田川とまたさん)
「北海道の雪景色にすごく魅力を感じていて
 それをリアルに描く自信があるなと思って
 ふるさとを舞台に漫画を描こうと。」
厳しい北見の冬。
そこでひたむきに生きる主人公の姿が読者の共感を呼んでいる。
(読者)
「すごく絵もきれいで
 独特の世界観が好きです。」
「北見市に密着したような漫画が好きで
 そこが魅力だと思います。」
紋別市出身で
中学から高校までを北見市ですごした田川さん。
大学を卒業後プロの漫画家を目指して上京。
修業を積んだ後
自分だけが描ける漫画を目指そうと
地元に戻り活動を始めた。
そして半年かけて描き上げた作品が出版社に認められ
念願の連載が決まったのである。
(漫画家 田川とまたさん)
「大学卒業してから3年間
 連載を勝ち取るためにがむしゃらに頑張ってきたので
 めちゃくちゃうれしかったですね。」
田川さんが作品の中でこだわっているのはふるさとの風景。
何気ない景色の中に見える味わいや懐かしさ。
そうした魅力を伝えたいと思っている。
気に入った場所には何度も足を運んでイメージを膨らませる。
(漫画家 田川とまたさん)
「まず街があって
 その街に生きている人たちを描くという順番で
 物語を紡いでいきたいと思うので
 風景をリアルに描くかは大事にしている。」
月刊誌の連載を持つ田川さんは
毎月およそ30ページ
120コマ以上を描かなければならない。
締め切りに間に合わせるためほとんど休みはとれない。
それでも今は好きな地元で漫画を描くことが何よりもうれしいと感じている。
(田川とまたさん)
「つらいことはないですね。
 描くのをやめたくなる瞬間は1回も無いですね。」
ほぼ1か月
ようやく仕上げの作業である。
描き上げた原稿をパソコンに取り込み
細かい修正を行ったあと出版社に送る。
(田川とまたさん)
「今回もバッチリです!」
「いつかこの漫画を読んでくれた方が北見に遊びに来てくれればうれしい。
 漫画の力で喜多見の良さを伝えられるよう
 今後も頑張っていきたい。」
新人の漫画家
田川とまたさん。
これからも故郷にこだわって描き続ける。

 

 

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行き場失うプラスチックごみ 困惑広がるアメリカ

2019-07-08 07:00:00 | 報道/ニュース

6月13日 国際報道2019


国際機関の統計によると
年間発生するプラスチックごみの量は3億トンにのぼる。
廃プラスチック輸出量(2017)
アメリカ  167万トン
日本    143万トン
ドイツ   122万トン
イギリス   68万トン
フランス   46万トン
これまで多くの先進国はリサイクル資源として中国や東南アジアなどに輸出してきた。
ところが去年1月
中国が処理作業に伴う環境汚染などを理由に輸入をやめた。
さらに東南アジアの国々も輸入規制の強化に乗り出している。
これまで中国に大きく依存してきたアメリカは
プラスチックごみの行き場を失って揺れている。

首都ワシントンに近いバージニア州。
家庭などのゴミが持ち込まれる処理場。
他のゴミと一緒に埋め立てられているのは食品容器やペットボトルなどのプラスチックごみ。
ハリソンバーグ市では4月から家庭からのプラスチックごみの回収を断念した。
(バージニア州ハリソンバーグ市 幹部)
「残念ですがリサイクル業者を確保できず
 回収できません。
 環境にやさしくないことはわかりますが仕方ありません。」
アメリカではゴミは埋め立て処分されるのが一般的である。
一方でプラスチックごみは埋め立てに適さないとしてリサイクルに回され
中国などに輸出されてきた。
プラスチックは分解されるまで400年以上かかるものもあり
溶け出して環境汚染につながることなどが理由である。
ところが中国が受け入れを停止したいま
プラスチックをリサイクルに回すことが出来ず
埋め立て処分に踏み切る自治体が増えているのである。
マヤさん(41)の住む自治体でもこの春プラスチックごみを埋め立て処分することが決まり
一般ごみとして出すよう通達があった。
(マヤさん)
「捨てたいけれど持っていく場所がなくなってしまったの。」
これまでリサイクルされてきたプラスチックを埋め立てることに抵抗感があるため
ごみをなるべく出さないよう心掛けている。
子どものランチを入れるプラスチック製の袋はこれまでは使い捨てだったが
いまは洗って再利用。
それでも家の中にはゴミが増えていくいっぽうで
限界を感じている。
(マヤさん)
「プラスチックのものを買わないというのは無理です。」
プラスチックごみの埋め立て処分に抵抗を感じる市民は他の州にもいる。
リサイクル資源としてプラスチックを回収してきたイリノイ州のNPO。
ここには最近プラスチックごみの持ち込みが急増。
100キロ以上離れた地域から運んでくる人もいるという。
(利用者)
「これを埋立地には捨てたくないわ。
 だって環境に悪いでしょ。」
しかし中国の輸入停止の影響はNPOにも。
これまでプラスチックごみな資源として業者に売却してきたが
逆に高額な引き取り料金を要求される状況で溜まる一方である。
(イリノイ州 NPO広報担当者)
「重要がなくて買い手がつきません。
 置く場所もなくこの先どうすることもできません。」
 
 


 

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“チル”を求める若者たち

2019-07-07 07:00:00 | 報道/ニュース

6月13日 おはよう日本


SNSのインスタグラムには“インスタ映え”と言われる見栄えのする写真があふれている。
旅先の絶景や着飾った様子など
思わず“いいね”と反応したくなる華やかさ。
見る人の目を意識した写真である。
一方 同じインスタグラムににちょっと地味な“チル”と呼ばれる写真が登場するようになっている。
Q.“チル”ということばは知っていますか?
「知らない。」
「食べ物とかですか?」
「チルチル何とかのチル???」
「チル。
 ゆっくり過ごすみたいな。」
「これです。
 チルってる。」
チルとは英語の
chill out(チルアウト)=ゆったりする
ということばからきている。
インスタグラムに何気ない普段の様子を投稿してありのままの自分を見せることである。
頑張って見栄えのする写真を撮るのではなく
チルでは飾らない自分を表現している。
名古屋市内の特段変わったことのない近所の公園。
木陰で休んでいる人たちがいた。
「いわゆるベリーチルです。」
「気持ちいいな ♪
 ただ ただ のんびりしたい。」
普通の喫茶店。
ふつうのドリンクをあるがままに写す。
「日常をインスタグラムに載せたりしています。」
「インスタ映えよりも自分が落ち着ける場所の方がいい。」
3か月前からチルの魅力にひかれているという大学院生のUIKOさん。
UIKOさんは近所の公園で目にした何気ない風景でも
自分が“いい”と思えることに気づいた。
チルにひかれる前まではインスタ映えのために遠出をしたりお金をかけたりしていたというUIKOさん。
次第に自分の行動に疑問を感じるようになったという。
(UIKOさん)
「温かいご飯が出てきているのにインスタ映えの写真が撮れるまでひたすら撮り続ける。
 インスタ映えのために生きているような時があり
 そういうのは疲れました。」
いまでは等身大の自分を表現した写真を投稿し
共感してくれる人がいればいいと思うようになった。
(UIKOさん)
「無理しなくていいなと。
 自分のペースで周りの目を気にせず瞬間瞬間を楽しめるようになりました。
 普通に“いいな”と思ったものを友だちと共有したいからあげています。」
若者の動向を調査している専門家は
ネットに振り回されないための変化だとみている。
(電通若者研究部 小谷和也さん)
「SNS自体がインフラ化し若者にとって全部切り離すことはできない。
 そのSNSのために頑張るのは疲れたという時
 チルってちょうどいい。
 人それぞれのやり方でそれぞれの目的地に行けるようになるということ。」
インスタグラムには人からの評価を気にするよりも
自分の心の物差しで行動していこうと変化してきた若者の姿が垣間見られる。



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ピンチを、アラヨッの掛け声で飛び越えて

2019-07-06 07:00:00 | 編集手帳

 

6月11日 読売新聞 編集手帳

 いつも元気なその女性は「芦村タヨリ」という。
35歳、
独身、
会社勤めのデザイナー。
<年下男をコマすときは平気で十歳ぐらいサバをよむ>

彼女にはわずか4文字の人生信条しかない。
アラヨッ。
ヨイショはだめ、
腰が重い。
人生いろいろピンチが来ても、
アラヨッの掛け声で飛び越えていく――。
田辺聖子さんの『夢のように日は過ぎて』(新潮文庫)の主人公である。

恋愛小説の名手、
田辺さんが91歳で亡くなった。
軽妙なタッチに温かなまなざし。
次々につむがれる「おせい」さんの世界にどれほどの人が心を浸しただろう。

訃報ふほうに接し、
数ある物語から先の女性を思い出したのは、
田辺さん自身の信条に触れたことによる。
かつて編集者に語ったという。
「私がデビューした頃は、
 ご主人や息子さん、
 お兄さん、
 弟さん、
 家族を戦争で亡くした女性がたくさんいらした。
 私はそういう女性たちが元気になる小説を書きたい」

ご自身は終戦の年、
早くに父を失った。
悲しいことを避けられないのが人生の一面とすれば、
それは百も承知のアラヨッに違いない。
つぶやくと、
おせいさんから元気がもらえる。

 

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釜石“真のレガシー”求めて

2019-07-05 07:00:00 | 報道/ニュース

6月9日 おはよう日本


日本で初めての開催となるラグビーW杯。
全国12の都市で48試合が行われる。
中でも唯一新たなスタジアムを建設するなど並々ならぬ思いで臨んでいるのが岩手県釜石市。
釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアム。
釜石市シーウェイブスvs.神戸製鋼。
かつて日本一を争った好カードである。
先制したのはシーウェイブス。
たてつづけにトライを重ねる。
しかしその後は神戸製鋼の猛攻が続いた。
神戸製鋼 57 ー 21 釜石シーウェイブス。
そんな中ひと際大きな声援を送る男性が。
釜石のラグビーを見守り続けてきた応援団
土肥守さん(61)である。
(土肥守さん)
「釜石はシーウェイブスとラグビーがなかったらワールドカップも来なかったので。
 地元のラグビーも盛んになって
 ワールドカップも来て
 ラグビーそのものの人気が上がり
 釜石も元気になって
 お互いに相乗効果。」
今年ラグビーW杯が開かれる岩手県釜石市。
大会に向け着々と準備が進んでいる。
土肥さんは市内の病院で院長として働いている。
シーウェイブスを通じてラグビーで町を盛り上げたいと活動してきた。
土肥さんがこれほどまでに応援するのは
町とラグビーには深いかかわりがあると考えているからである。
かつて日本最古の製鉄所とともに栄えた釜石市。
しかし昭和40年代後半になると“鉄冷え”により町の活気は失われた。
そんな釜石市を熱く燃え上がらせたのが日本選手権7連覇を果たした新日鉄釜石ラグビー部。
東北出身の無名の選手たちが高いの強豪チームを打ち負かす姿は
“北の鉄人”とたたえられた。
町の人たちはその姿に勇気づけられた。
そして2011年東日本大震災。
支援物資を運ぶボランティアに奔走したのが新日鉄釜石の流れをくむシーウェイブスの選手たちだった。
2か月後には練習を再開。
震災後初めての試合には多くの人たちがグラウンドに駆け付けたのである。
(土肥守さん)
「練習再開するというニュースを聞いたときはすごくうれしかった。
 日常が少し戻ってくるような感じ。
 復旧とか復興の始まりだなって。
 シーウェイブスが練習をするのが我々の生活を取り戻すスタートだと感じた。
 一緒に戦っている感じがして
 一体感が生まれた。」
神戸製鋼との試合を控えた6月3日。
土肥さんは仲間とともにグランドに駆け付け選手たちにエールを送った。
シーウェイブスが強くなることこそがラグビーW杯の後も町を盛り上げていくカギだと考えている。
(土肥守さん)
「ワールドカップという追い風をうまく利用して
 その時に強くなる。
 釜石市シーウェイブスが強くなって
 ラグビーは釜石がやっぱり強いとなったときが
 本当の意味でラグビーが求心力になって釜石が発展するもとになる。」
大会後を見据えてすでに動き始めている人もいる。
W杯の事務局で広報を務める長田剛さんである。
去年完成した釜石鵜住居復興スタジアム。
震災前 小中学校があった場所に約50億円をかけて建設。
最新の設備が備えられている。
(W杯推進本部事務局 長田剛さん)
「自動で芝が完走したっていうシグナルが出たら
 勝手に水を撒くシステムを備えている。
 どこにもまねできない
 釜石でしかできないスタジアム。」
長田さんにはこのスタジアムで実現させたいある光景がある。
新日鉄釜石の全盛期だった1981年
海外の強豪チームを招いて行った親善試合
VS.ポンソンビー(nz).
一目試合を見ようと大勢の人がグランドに詰めかけた。
この光景をもう一度釜石で見られるようにしたい。
そう考えたのである。
(W杯推進本部事務局 長田剛さん)
「地元の人にとって新日鉄釜石の選手がヒーローだった。
 身近で近い距離でラグビーをやっていけば昔のラグビーの町の雰囲気に戻るんじゃないか。」
町が新たなスタジアムを使って始めたのが中学生を対象にした「特設ラグビー部」である。
釜石市内の中学校にはラグビー部がない。
長田さんは
早いうちからラグビーボールに触れる経験を作ることで
その後もラグビーを続け
やがて選手として釜石に帰ってきてほしいと願っている。
実は長田さんはかつて釜石シーウェイブスの中心選手として活躍してきた。
その経験を生かし自らコーチを買って出たのである。
伝説のチームを生み
W杯の会場ともなるこの釜石からひとりでも多くの選手が育ってほしい。
長田さんの思いである。
(W杯推進本部事務局 長田剛さん)
「若い子たちがラグビーを始めて
 大きくなってまた釜石でラグビーをする。
 釜石の人たち全員が“ラグビーの町や 俺たちの町は”って言えるように
 自分には何ができるか常に考えながら
 絶対に釜石のためになると信じて毎日全力で頑張るしかない。」

 

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元SKE48 乳がんに負けず 前向きに思いつづる

2019-07-04 07:00:00 | 報道/ニュース

6月7日 おはよう日本


日本人女性の11人に1人がかかるとされる乳がん。
アイドルグループSKR48の元メンバーでタレントの矢方美紀さんもその1人である。
今年4月 1冊の本を出した。

「きっと大丈夫。~私の乳がんダイアリー~」
乳がんと向き合う日々の中での葛藤を赤裸々に綴っている。
著者は矢方美紀さん(26)。
矢方さんはアイドルグループSKE48で活躍し
卒業後の今も名古屋でタレントとして活動している。
乳がんと診断され
去年4月左胸の全てを取る手術を受けた。
現在も治療を続けている。
5月 東京で本の出版イベントが開かれた。
(矢方美紀さん)
「病気になっても
 いろいろ自分自身で出来ることを発信したい。」
本には
“病気になって死ぬかもしれないとおびえるのではなく
 当り前のように生きて居られることに幸せを感じるようになった”と
心境の変化が丁寧に綴られている。
治療の日々を前向きに発信する姿は多くの人に響いている。
(乳がんの女性)
「本当に前向きで
 受け入れてからの前向きさは本当に頭が下がる思いです。」
(矢方美紀さん)
「“矢方さんが発信し散ることが今の頑張りにつながっている”だったり
 “勇気をもらっている”と言われることが多くて
 誰かが一生懸命している姿っていうのは伝わるんだなって。」
矢方さんはこの1年
抗がん剤治療
放射線治療
ホルモン療法を続けてきた。
特に矢方さんを苦しめたのが抗がん剤の副作用による脱毛だった。
(矢方さん自身が撮影した動画)
「髪の毛が脱毛しちゃったので帽子をかぶっています。」
「なんか誰かに見られたらバレてるかなって思っちゃうんですけど
 それは仕方ないので工夫していこうと思います。」
そんな矢方さんの支えになったのは名古屋市内のアピアランス・サポートセンター。
乳がんの患者のような見た目の変化を美容面でサポートしてくれるNPOである。
ここでは専門の知識を持った美容師が1人1人に合わせたウィッグを作ってくれる。
サポートを受けるなかで失った胸への考えも変わった。
(きっと大丈夫。~私の乳がんダイアリー~)
なくなっつぃまったもの
済んでしまったことにくよくよするのではなく
いまの自分に本当に必要なものは何だろうと立ち止まって考えることが大切だと。
(矢方美紀さん)
「周りの人の存在が私の場合大きかったですね。
 別にこのままでも生活はできるなって気付けたんですね。
 自分の夢に向かっていかなきゃいけない。
 ここよりもほかの部分で私は時間を費やしたいって思ったので。」
周囲の支えで治療による見た目の変化を乗り越えてきた矢方さん。
幼い頃からの夢だった声優としての活動をスタートさせた。
(矢方美紀さん)
「人間には限られた時間があるって
 自分が病気になって感じたことですね。
 実際 自分が病気になってみて
 本当に何が起こるか分からないし
 病気以外でもいつ何が起きてもいいように
 後悔をなるべくしない人生を歩まなきゃいけないって思って。」
26歳。
矢方さんの結婚観は
「私がもし今後であって結婚する方は
 出会ってたぶん自分の容姿を一番に見てる人じゃないんだろうなって思いますね。
 中身を見て
 “何かこう通じ合うものがあるな”だったり
 “ああ この人といたら落ち着くな”って思ったり。
 結婚したいですね。」
“きっと大丈夫”。
日々の葛藤や再発への不安もあるなか
矢方さんがたどり着いた言葉である。
(矢方美紀さん)
「きっといけるよっていう本当にわずかな希望なんですけど
 そういう思いが続いて今私は明るく前を向けているので
 そういう気持ちをいろんな方に届けられたらいいなと思っています。」





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大麻合法化の北米に 日本人続々と

2019-07-03 07:00:00 | 報道/ニュース


6月6日 国際報道2019


2018年日本で大麻を所持するなどして検挙された人は約3,600人にのぼった。
この5年で2倍となっている。
しかも所持していただけではなく
大麻の譲渡や密輸で摘発される人が増えているのが特徴である。
その背景にはカナダやアメリカの一部で嗜好品として大麻の合法化が進んでいることがあげられる。
日本への密輸量を見ると
2014年と比べて急増していて
北米からの密輸が約半分だったのが
2018年には94%にまで増えている。

太平洋に面したカナダのバンクーバー。
今年4月 世界最大規模の大麻フェスティバルが開かれ世界各国から約5万人が集まった。
会場には日本人の姿も多く見られた。
(20代男性)
「最初は脳みそが回転してふらふらになって
 吸い続けていたら慣れてハイになった。」
(20代男性)
「酒やたばこと同じ感覚。
 未成年が青年になったら始める。
 ちょっとした遊び。」
カナダでは2018年10月から嗜好品としての大麻を解禁している。
しかし日本人が所持していた場合
たとえ合法の国であっても日本の「国外犯規定」に基づき罰せられることがある。
27歳の男性は会社を辞め
大麻を合法的に吸えるとして今年2月からカナダの語学学校へ通っている。
(27歳男性)
「音楽が好きでこっち来て大麻吸って音楽聴いて
 なおさらよく聴こえる。
 これが大麻なんだというのを経験したいなと思って来た。」
バンクーバー市内にある大麻ショップ。
政府が許可した販売店などで原則18歳以上1人30gまで所持することができる。
カナダが大麻を合法化したのは
政府が管理することで犯罪組織の資金源になるのを防ぐためである。
さらに関連産業での税収の増加も期待されている。
日本人が多く訪れるアメリカカリフォルニア州でも2018年大麻が合法化された。
いま人気を呼んでいるのが観光客向けの大麻ツアーである。
一行が向かったのは大麻の栽培施設。
大麻の成分が入ったジュースやグミなどが売られている。
「グミタイプのものがおすすめ。
 3~4個食べてもそんなに強くないから。」
「どんな感じになるの?」
「リラックスできるよ。」
参加者は実際に大麻を吸って体験する。
このツアーには日本人も多く訪れるという。
(ツアー主催者)
「日本人の客は去年の実績だと月平均10人ぐらいかな。
 日本人は内気だから日本人限定ツアーもある。
 来年には2~3倍になると見込んでいる。」
北米で進む大麻の合法化。
いま日本に深刻な影響が出始めている。
日本への密輸が相次いでいるのである。
長年 厚生労働省麻薬取締部で薬物の捜査にあたってきた瀬戸晴海さん。
大麻が日本人の身近に迫ってきているという。
(元厚生労働省麻薬取締部 日本薬物問題研究所 瀬戸晴海常務理事)
「海外の潮流
 大麻政策の転換・合法化に基づき
 多くの情報がインターネットに氾濫している。
 より簡単に手に入る薬物になっている。」
さらに大麻をきっかけにより依存性の高い他の薬物に手を出す恐れもあると指摘する。
(元厚生労働省麻薬取締部 日本薬物問題研究所 瀬戸晴海常務理事)
「大麻は他の薬物へのゲートウェイ 入口の薬物となっている。
 大麻の検挙者の2割は他の薬物
 覚せい剤 コカイン LSDを所持し併用。
 最初の薬物は大麻です。」
都内の薬物厚生施設。
覚せい剤を使用して逮捕された41歳の男性。
薬物依存に陥ったきっかけは19歳のとき知人に勧められた大麻だったという。
「一瞬迷いはあったが好奇心が勝ったというのが正しい表現かと。」
そして男性は27歳のときにより依存性が高い覚せい剤に手を出したという。
「大麻があって覚せい剤のハードルが下がった。
 火であぶってストローで吸引する感じで
 方法も似ているし大麻で経験あるからいいかというところも正直あった。」
薬物を手に入れるために生活費を使い込み仕事のできなくなるなど生活は破綻。
当時一緒に暮らしていた妻と子どもとも別れ
すべてを失った。
「大麻がきっかけで後の自分の人生が破綻して崩れていくのか
 全く見当もつかなかった。」



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奈良 ホームラン連発!? 新発想の練習用具

2019-07-02 07:00:00 | 報道/ニュース

6月6日 おはよう日本


都市対抗野球など何度も日本一に輝いてきた日本生命野球部。
今年から練習に取り入れているのが長打用のスタンド。
その名も サクゴエである。
理想的な打撃フォームが身につくというのである。
これまではバットがスタンドの先端部分に当たるため
気になってフォームが崩れがちになっていた。
しかし新型のスタンドは先端部分が前に飛び出す仕掛けのため
長打になりやすいボールの下を思い切り振り抜ける。
(日本生命野球部 皆川仁選手)
「これまでのスタンドは意識的にの上をたたいてしまうんですけど
 新型だったらお構いなしに関係なく打てるので気持ちいい。
さらに
空気を吸い込みボールを吸着させるタイプのスタンドは
抵抗が少なく
ボールだけを打つ感覚で練習できる優れものである。
ユニークな用具を開発したのは 弓場直樹さん(42)。
2月の発売以来たくさんの注文が舞い込む状況に驚いている。
(弓場直樹さん)
「社奇人・プロとなると夢の目標だったので
 夢をかなえる一歩を踏めたかな。」
弓場さんは小学生のころからずっと野球を続けてきた。
今は奈良県の社会人野球チームの代表も務めるほど熱い情熱を持っている。
しかし野球用具開発のきっかけは意外な出来事だった。
もともと弓場さんはリフォームなどを請け負う工務店を経営していた。
ところが2016年
腎臓を悪くし入院。
さらにリフォーム業界の競争激化などで工務店を廃業するという人生のどん底を味わった。
(弓場直樹さん)
「いろいろなものが無くなっていくから
 つらいし
 どうしていいかわからへんし
 精神的にはもう情緒不安定。」
そんなとき住む部屋を無料で貸してくれたのが大阪で町工場を営む友人だった。
なにか面白いことで恩返ししたいと弓場さんは町工場仲間ともの作りに挑むことにしたのである。
そこで思いついたのがずっと続けていた野球のティースタンドの改良だった。
(弓場直樹さん)
「今でもそんなことやってるのって。
 20年30年経っているのに変わってないことに気づいて
 ある種チャンスかなと。」
金属加工や精密機械の工場の専門家と知恵を出し合い
素材や形を検討。
10種類以上の試作品を経てようやく完成したのがあのスタンドだった。
今の目標は
用具をプロから子どもまで誰でも使えるようにすること。
弓場さんの開発の日々はこれからも続く。
(弓場直樹さん)
「これをやるためにずっと野球をやって来たと言っても過言ではない。
 熱が冷めない限り
 作り続けて考え続けていくと思います。」


 



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