ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

人前で演奏するということは

2005年06月04日 | 価値観


 人様の前で演奏させて頂けるようになってかなりの年月が経ちます。
 ただただ音を出すのが楽しかった時期、
 テングになっていた時期、
 ひたすら苦悩した時期。。。(未だに苦悩しっぱなし・・・汗)
 いろんな時期が過ぎていきました。


 今は聴いて頂けることを感謝しつつ、とにかく昨日より進歩したいと思って弾いています。
 が、人間の小ささゆえに「苦悩」と「テング」の間を行ったり来たり、ただただ足踏みしっぱなしのような気も・・・。(^^;)


 それはともかく、ずっと前のことです。
 その夜の演奏場所であるジャズクラブには若い男性がひとりで来ていました。
 お店のママと話をしているのを聞くともなく聞いていたのですが、彼は休みを利用して埼玉から岡山まで旅行してきたんだそうです。


 結論から言うと、その夜の演奏は満足ゆくものではありませんでした。
 でも彼はにこやかに軽く会釈して、スマートに帰って行きました。
 その夜私の中で、はじめて演奏後に「後悔」という気持ちが生まれました。
 それも、とても大きな後悔でした。
 そう、その人は貴重な休みの一部を私たちの演奏のために割いてくれたんですね。


 私たちは、その人に「ああ、今夜ここに聴きに来て良かった」と思ってもらわねばならなかったのです。
 そして、それが人前で演奏することの意味のひとつだったことに気づかされたんです。




 こんな当たり前のことが、わかっているようでわかってなかったんですね、その頃は。
 小さなできごとかもしれないけれど、ぼくにはとても良い勉強になりました。
 音楽だけでなく、すべてに通ずることかもしれません。
 人前で演奏し続けてゆく以上、ぼくはこの気持ちを忘れたくはないです。


 今日はちょっとまじめに書いてみました(^-^)



コメント (2)
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