ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

スリー・ドッグ・ナイト (Three Dog Night)

2005年06月20日 | ミュージシャン


 聴き始めたきっかけは、手当たり次第にロックを聴きあさっていた高校時代だったと思います。


 一世を風靡したスリー・ドッグ・ナイトというバンド、今ではもう歴史に埋もれてしまったものとばかり思っていたのです。
 ところが数年前のある夜、普段ほとんど見ないテレビをつけた時、このスリー・ドッグ・ナイトの代表曲のひとつ、「喜びの世界(Joy To The World)」が偶然にも流れてきたんですね。竹内結子出演のドラマ「ランチの女王」に使われていたんです。
 いや~、懐かしかったなあ~


 これがきっかけになって『スリー・ドッグ・ナイト・ブーム』でも来るかと思ったら、
 ・・・思っただけに終わってしまいましたが。。。


 3人のボーカリストと4人のプレーヤーという白人中心のロック・グループとしては特異な編成、しかも全員が腕ききミュージシャン、というプロフィールだけで、背伸びしたがりで通ぶりたいロック小僧(そうです、ぼくのことです)の興味をかきたてるのに充分ではないですか。





 1970年代前半には出す曲が片っ端からヒットする人気バンドでした。驚くべきことにそれがことごとくカバー曲!自作曲を自分たちで演奏するスタイルが当たり前のロック界の中では非常に変わった存在であると言えるでしょう。
 そして、彼らが取り上げた曲の作者を見てみると、エルトン・ジョンをはじめ、ポール・ウィリアムス、レオ・セイヤー、ハリー・ニルソン、ホイト・アクストン、ローラ・ニーロなど、そうそうたる顔ぶれなんですね。しかも、単にヒット・メーカーの曲を取り上げたのではなかった。
 エルトン・ジョンなどは、自分の手でヒットさせるより先にスリー・ドッグ・ナイトが「僕の歌は君の歌」をヒットさせてくれたおかげで、大スターへの切符を手にすることができたといいます。
 つまりこのバンドは、先見の明があり、かつ選曲のセンスが抜群に良かったとも言えるんです。


 ブラック・ミュージックの影響を受けていることも特徴のひとつです。例えば「トライ・ア・リトル・テンダーネス」など、有名なオーティス・レディング盤にまったくヒケを取らないほどの黒っぽさです。スリー・ドッグ・ナイトのこの曲のエキサイティングな演奏のおかげで(ほんとに興奮しました!)、ぼくは黒人音楽にさらに近寄ることができたんです。





 「オールド・ファッションド・ラヴ・ソング」を筆頭に、
 「喜びの世界」
 「トライ・ア・リトス・テンダーネス」
 「ママ・トールド・ミー」
 などなど、彼らの作品の中にはぼくの愛聴曲がいっぱいです。


 当時のぼくの目(というか耳)には、「大人の余裕を持ったカッコ良いバンド」と映ってました。
 そして、そのイメージは、今でも変わってないですねぇ・・・


 少し奇妙なバンド名は、オーストラリアの原住民の「三匹の犬といっしょに眠れば寒さを感じないですむ」ということわざから取ったらしい。
 もっとも、もともとは「Five Dogs Night」が正しい表現のようです。開拓のためオーストラリアに来た白人が、あまりにも寒いため毛布がわりに犬を抱いて眠ったことに由来しているんだそうです。
 でもなんでスリー・ドッグ・ナイトなの?
 スリー・ドッグズ・ナイト(Three Dogs' Night)では?などと今でも時々思ってしまうのですが、おそらく語呂を良くするために「's」を取ったのかもしれないですね。
 もしご存じの方がおられましたら、突っ込み歓迎です。ご教示くださいませ






コメント (3)
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