ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

テンションは自分であげるもの

2005年06月14日 | 価値観


昨夜はピアニストさんとのデュオ・ライブでした。
が、サッカーのワールド・カップ予選のテレビ中継があったため、客席の人口密度は非常に低かった、、
というかほとんど誰もいなかったのでありました。


 観客を入れずに試合が行われると決まった時、日本代表メンバーの中には
「お客さんがいなきゃパワーが出ない」
とか、
「テンションあがんない」
という意味のコメントを残した方がおられました。


 本意はその言葉どおりとは限らない場合もあるのは分かります。伝え方によっては、本人の言いたかった意味とは異なる表現になることもありますから。
 しかし、情報を受ける側には
「そうやね、テンションあがらんかもしれんね」
と思った人がいたかもしれません。


 でも、ぼくはそうは思いません。
 サッカーや野球の選手ならボールを前にした時、
 レスラーやボクサーならリングに上がった時、
 ミュージシャンなら楽器を持った時、
 とりあえずプレーに没頭するはずなんです。
 半ば本能的に。
 目の前にボールが来たら余計なことを考えずに打ったり蹴ったりするでしょう?


 たしかに客席が寂しいとテンションはあがりにくいかもしれない。
 でも現場で「さあこれから!」という時に、
 「客が少ないから高ぶらないな~ パワーが出ないな~」
 なんてことを思うような人はプロとは呼べないんじゃないかと思うのです。
 たとえば、これから山に登ろうかという登山家や、リハーサル前の俳優が、「見られていないからテンションあがらん」などと思うのでしょうか。
 客席が埋まっているとアドレナリンがいっぱい出るのは分かります。
 でも、その日のパフォーマンスの不出来をその日の客席の不入りに結びつけようとするのは、自分の出した結果に対する言い訳に過ぎないんじゃないか、ってことです。


 昨夜は自分に対する戒めのつもりで、こんなことを考えました。
 そう考えることができたのが良かったのか、数は少なかったけれど、来てくださった方々には喜んでいただくことができて、ひとまずはホッとした夜でした。




コメント
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