例えばラジオをつけている時、かかった曲がなぜか気に入ってしまい(つまりハマって)、即座にレコード屋さんに買いに走ることってちょいちょいあることだと思うんですが。
いきなり話は飛びますが、「『レコード屋さん』じゃなくて、今は『CDショップ』なの」などと突っ込まれる時があります。クヤシイ~~~
しかし、レコードというのは「音を記録・録音した音盤」のことなんだから、「CDもレコードのうち。だからCD売ってるとこもレコード屋さんって言ってもいいのよ」と反論しても構わないと思いますね。「CDショップ」ってなんとなく、いまだに言いづらいんですよ。
さらについでに話は跳躍しますが、CDというシロモノが世に出回り始めた頃、友人Aに尋ねたことがあります。
「『CD』ってどーゆー意味?」
友人A「(得意げに)CD? コンパクト・デスクの略やん。知らんのか?」
コンパクト・デスク・・・
「小さい机」か。
で、飛んだと同じくらいの勢いで話が戻りますが、ぼくがラジオを聴くや否や猛スピードで買いに走ったものの内の一枚が、このボストン(Boston)というグループのデビュー・アルバム、「幻想飛行」です。
評論家風に言うと、『アコースティックな響きとディストーションのよく効いた伸びやかなギターサウンドの融合。さわやかでポップなメロディを特徴とする作品。スペイシーな雰囲気をも漂わせながらも、アメリカン・ロックの香りを持った驚異のサウンド』ってとこでしょうか。
いったん聴き始めると、そんな理屈もどこかへ消し飛んでしまいます。
爽快感あふれるギターが縦横無尽にロックしています。
緻密に積み重ねられたギター・サウンドとコーラス・ワークは重厚かつ爽やかで、アルバムの存在感を増しています。
メロディ・ラインはポップですが、近未来的なイメージを醸し出す音作りは驚異を持ってリスナーに迎え入れられました。こうしたボストンのサウンドは、「アメリカン・プログレ・ハード」という新しい呼称を生みました。
1曲目の「宇宙の彼方へ(More Than A Feeling)」から気持ちの良いサウンドが途切れることのない、素晴らしいアルバムです。
◆幻想飛行/Boston
■歌・演奏
ボストン/Boston
■リリース
1976年8月25日
■プロデュース
ジョン・ボイラン、トム・ショルツ/John Boylan, Tom Scholz
■収録曲
Side-A
① 宇宙の彼方へ/More Than a Feeling (Scholz)
② ピース・オブ・マインド/Peace of Mind (Scholz)
③ フォープレイ~ロング・タイム/Foreplay~Long Time (Scholz)
Side-B
④ ロックンロール・バンド/Rock and Roll Band (Scholz)
⑤ スモーキン/Smokin' (Scholz & Delp)
⑥ ヒッチ・ア・ライド/Hitch a Ride (Scholz)
⑦ サムシング・アバウト・ユー/Something About You (Scholz)
⑧ レット・ミー・テイク・ユー・ホーム・トゥナイト/Let Me Take You Home Tonight (Delp)
■録音メンバー
[ボストン/Boston]
ブラッド・デルプ/Brad Delp (Lead-vocals, harmony-vocals, acoustic-guitar⑧)
トム・ショルツ/Tom Scholz (electric-guitars, acoustic-guitars, organ, clavinet, bass)
バリー・グドロー/Barry Goudreau (guitar)
フラン・シーハン/Fran Sheehan (bass③(Foreplay),⑧)
シブ・ハシアン/Sib Hashian (drums①~③,⑤~⑧)
ジム・マスデア/Jim Masdea (drums④)
■チャート最高位
1977年週間アルバム・チャート アメリカ(ビルボード)3位、イギリス11位
1977年年間アルバム・チャート アメリカ(ビルボード)5位
1978年年間アルバム・チャート アメリカ(ビルボード)99位