箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

子どもは信頼関係を求める

2015年12月11日 19時01分12秒 | 教育・子育てあれこれ


私の上の娘は、一昨年の3月に大学を卒業して就職しました。そして今年の2月に結婚しました。

子どもがほんとうの意味で親の「保護」から離れるのは、このように社会人として経済的に独立し、新しい家庭を築く頃ではないかと思います。

子育てに万能の方法はありません。子どもが「ちゃんとした」大人になったかどうかをみれるのは、独立して家庭をもつ頃でないかと思うのです。

親はどの親も、子どもに幸せになってもらいたいと願うものです。しかし、親が子どもの生き方を決めることはできません。

では、子どもは大人になっていくとき、何にいちばん影響を受けるのでしょうか。いちばん影響を受けるのは、人との関係(人間関係)です。

自分がうまく人とかかわりを持つことができると、意欲や満足感が生まれます。しかし、うまく人とのかかわりを持つことができない場合、気持ちが満たされないので、他者に迷惑をかけたり、犯罪、酒に溺れる、薬物乱用などにつながっていくことがあります。

子どもにとって親との関係ほど大切なものはありません。だからこそ、親にシャットアウトされたり、拒否されたりすることほど子どもが傷つくことはありません。

虐待などは、いちばん親しい関係を求める相手からはねつけられるのであり、子どもにとってはどれほど辛いことでしょうか。

こう考えた時、親が子どもにとって信頼できる存在であるかは、たいへん大きな意味をもっていることになります。

人は相手への信頼感がないところでは、相手の言うことを聞き入れようという感情は生まれません。信頼感がなければ、親は子どもにきいてもらえず、成長を支えるサポーターにはなれないのです。

たしかに、子どもの考えや選択、やろうとしていることに賛成できない場合もあるでしょう。そのとき、親は強い口調で言わなければならないことは言うべきです。

しかし、それは親が子どもを拒否していないことが条件です。べつに子どもを傷つけようとしているのではないし、争いごとを好んでいるわけではないということは、メッセージにして伝えましょう。

話し合って、歩み寄って、親子間の距離を小さくしようとする親と子のかかわりあいによって、子どもは人から信頼される生き方を身につけていきます。子どもはどんなときでも信頼しあえる親子関係を求めているのです。