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昔の友達や教え子に会うと、どれほど長く会っていなくても、すぐに自分の記憶は過去へタイム・スリップします。
思い出話に花が開き、日々の忙しさや日常の雑踏から解放され、心が知らず知らず癒されていきます。
ひとときを楽しく過ごし、また会う日までお互いの健康祈り、相手へのねぎらいを込めて別れる。
ただしその一方で、自分が歳(よわい)を重ねてくると、再会を約束しても、今度はいつ会えるのだろう、場合によってはこれが最後になるのかもという思いも、心のかたすみに浮かんできます。
また、年齢に関係なく、人はみないつ最期になるかわからない危なっかしい土台に立って、生きています。
このように考えると、友と同じ時間を過ごせたことが、限りなく尊いことに思えてきます。
日常の慌ただしさに追われ、周りの誰もが自分のことで精一杯になる中で、ときおり感じる寂しさ。
そんなとき、自分を受け入れてくれ、同じ時空を過ごしてくれる教え子や友は、お互いの人生に深い意味をもっていると感じます。