中学生か高校生の期間に、生徒が「こんな大人になりたい」と思う大人に出会うことは、今の時代、とても大切だと思います。
現代は科学技術が発展して、社会情勢は混迷を極めます。
そんな時代にあっては、人は何を大切に生きるかという価値観が揺らいだり、変わりやすいのです。
このとき、生徒は自身の目標を見つけるのはますます難しくなります。
だから、「こんな大人になる」という軸があれば、将来を考えうえで迷いが少なくなります。
学校の中で、もっとも身近な大人は、やはり先生です。
生徒にかっこいい大人の姿をみせることができる先生が、今求めらるのです。
とかく、大人が子どもに何を与えるか、どんな環境を整備して、どのように生育条件を準備するかという点が重視されます。
たとえばタブレット端末を一人1台にするというような教育条件改善の論議が聞かれます。
でも、学校教育でいちばん大事なことは、生徒が人としてどう生きるかを学ぶという点です。
その点で、「あんな大人になりたい」と思えるロールモデルとなる教師になってほしいと願います。それが、今の教師の最大の課題であると、わたしは考えます。
大人のどんな言動が、子どもに影響を与えるのか、大人の義務とは何なのかを、あらためて考える必要が私たちにあります。