今の時代の学力観では、自ら課題を見つけ解決する力を児童生徒に育むことが重要視されています。
そのため、授業では「主体的で対話的で、深い学びの学習」が求められています。
ところが、今年4月に小6、中3に行った全国学力学習状況調査の結果を見ると、今の学力観に基づく力が育っているとは言いがたいようでした。
今回は国語、算数・数学、それに加え4年ぶりに理科のテストを行いました。
テスト問題は、知識の確かさに加え、知識やデータをどう活用するか、科学的な思考力を問う問題が多く含まれていました。
しかし、結果はかんばしくなく、なかでも中学の理科は平均正答率が50%に届きませんでした。
4年前よりおよそ17%ほど下がりました。
もちろん全国の平均の正答率ですから、都道府県によっては高い正答率を出している県もあります。
だだ、全国の平均が大きく下がったということは、目指す学力が十分についていないことは、確かなことです。
これは、新しい学力観に応じた授業が日々学校で十分に行われていないことを示すと考えていいでしょう。
新型コロナウイルス感染防止のため、実験を控えた学校が多かったことも影響しているのかもしれません。
この調査では、アンケートに答える質問紙調査も行われました。
「自分の考えが伝わるように、工夫して発表する授業」があまりできていないと回答した中学校は約2割ありました。
教師にとっての生命線は授業研究です。これに十分な時間をかけることができるように、業務の軽減、働き方改革を断行していかなければなりません。