一般的にいって、小学生から中学生になってからしばらくは、生徒の自尊感情は大きく下がります。
わたしは、これを小中間のハードルと言っています。
端的にいえば、自分への自信をなくす子が多いということです。
これには、理由があります。
一つは思春期に入り、「自分は何者」と自己を見つめる子が増えるからです。
もう一つは、周りの子と自分の差が見えやすくなるからです。
バスケが上手いと自分では思っていたが、もっと上手い子がたくさんいる。ダントツに上手い。
勉強ができると思っていたけど、中間テストテストでは60点だった。なのにとなりの子は90点をとっていた。
小学校と違い、中学校は周りの友だちとの差が見えやすいからです。
それはいい、わるいの問題ではなく、学校のしくみのちがいなのです。
だから、中1になると自信をなくす子が多いのです。
そこで、中学の教師は、その自尊感情の揺らぎを知った上で、「あなたはあなたでいのだよ」というメッセージを送るのです。
「若い頃は自信をもてばいいのです。それも、根拠のない自身でいいから。なんでもやってごらん。」
そして、気持ちは揺れながらも、自分の葛藤や悩みに折り合いをつけ、「わたしはわたし」と納得して、「がんばっていくよ」と変容させるのが、中学教員の醍醐味である。
わたしは、そのように考えています。