期待が不満に変わることはよくあります。
とくに対人関係で、相手に寄せた期待がその通りにならないときには、不満に変わります。
「あの人なら、こうしてくれるだろう」と期待します。
期待しすぎると、ガッカリすることになります。
不満は失望になることもあります。
人間関係というものは、とかく難しいものです。
そこで、わたしは「希望はしても、期待はするな」と、自らを戒めていました。
このように指導したから、その生徒はこんなふうにしてくれるだろう。いや、きっとするに違いない。
ところが中学生にもなると、どうするかを決めるのはその子自身です。
本人が納得して、先生の言うとおりに、そうした方がいいと思ったときには、教師の希望通りになります。
そんなふうに考え、教員をしてきました。
しかし、いま考えてみれば、人間とは未熟なものです。
だから、間違いも失敗もします。
人間は足りないところがあり、足りないところをお互いに補いあうところに、共に生きる意味があるのでしょう。
期待はずれに出くわしても、いつか応えてくれるだろうという程度につきあっていくのが、教育的指導であり、人と人との人間関係なのでしょう。