新型コロナウイルスの流行と共に、学校でも教育推進にICTの活用が加速しています。
ただし、公立学校の場合、いくつかの危惧があります。
国の中央教育審議会(中教審)では、次のような未来を、会議資料に載せて、予測しています。
①ICTの活用は、おもに私立の学校や公立でも意識の高い教員がいる学校で進む。でも、公立は「全員に同じ条件を保障する」という観点から、全員が同じようにできること、またトラブルが起こるかもしれないという心配から、設置者(都道府県・市町村)はICT導入に慎重になり、学校間格差が拡大する。
②休校で失った授業日数をとりもどため、長期休業または土曜日の休日を削って授業をする、また学校行事を削って授業をする。
そのため、学校からゆとりがなくなり、児童生徒に過度の負担を強いる。
その結果、不登校やいじめ、不適応、問題行動が増える。
③自治体は、いま慌ててICT環境を整えようとしているが、整備ができた頃には、新型コロナウイルス感染症が収まる。
そうなると、教員はICT活用に気が向かなくなり、「主体的で、対話的な、深い学びの授業」を推進することなく、従来の詰め込み型授業が復活する。
何も手を打たないと、このような心配が現実になると警鐘を鳴らしています。
私はこの予測に対して、現場の教職員が中央からここまで信用されていないのを残念に思います。
詰め込み型の授業が子どものためにならないことを、教員は知っています。
対話型の授業を進める必要性もわかっています。教え込み型の授業の弊害も意識しています。
そもそも、国が突然に全国一斉の休校という政策をとったのであり、それにより授業日数が減っているのです。
それを、なんとか学校行事を子どものために確保して、オンライン授業にも取り組もうとしている、学校の教員の切なる願いを知ってほしい。
行政のトップから信用されない中で行う教育は、教職員にとってはつらいですし、子どものためにはなりません。
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