箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

里親の受け入れが多いまち

2022年03月18日 07時22分00秒 | 教育・子育てあれこれ


わが国では事情により、親の元で暮らせない子がいます。その事情とは虐待とか経済的な事情などです。

その子たちを家族として迎え入れ養育するのが里親制度です。その受け入れ状況は自治体により多い少ないがあるのですが、全国平均は22%程度です。

その中でもダントツに高い受け入れ率を示している自治体が新潟市です。

新潟市は従来より里親受け入れが多かったというわけではなかったのです。

平成25年では33%程度でした。親元で育てられない場合、乳児院や児童養護施設へ入所する方法もありますが、新潟県には施設が少なく、里親さんにお願いすることを第一の対策としていました。

しかし、里親のなり手が少ないという状況があり、説明会を多く開催しました。1年に2回しかしていなかった里親制度説明会を年間6回にしました。

すると、里親をしたいという申し出が倍増しました。

里親を希望する夫婦は少なくはないのですが、行政からの広報やマッチングがうまくいってないことが多いのかもしれません。

里親制度を利用したいと相談に訪れる養親の多くが、法的な親子関係を結ぶ特別養子縁組を希望します。

家族というものは、一日一日のくらしの小さな積み重ねでできあがっていきます。

ともに食事をして、ともに笑って、ともに泣いて。その積み重ねで家族のつながりは強くなります。

新潟市では里親への委託を増やすために、里親専任の職員を配置して、人も増やしました。

さらに2021年度からは里親養育支援児童福祉司を配置しました。

このようにして、里親の登録、委託、その後のサポートまで、切れ目なく一連のプロセスに専任職員がかかわるしくみを整えたのです。

この一連のプロセスを別々の部署・人が担当すると連絡・連携がうまくいかないのは、行政でよくあることです。

専任になったことで、里親希望者に、里親になぜなりたいのか、登録後も定期的に連絡を取りリスト全体を把握しているので、この子にはあの里親さんというマッチングがうまくいきます。

また、里親が実現したああとのフォローアップもていねいに行います。

行政の施策や事業がうまくいくのは、制度の整備と人であると、あらためて思います。


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