残像に固執するのではなく・・・

ときはグロー-バル時代。世界での日本の存在感は薄れています。

世界的にはGDPは最近20年間で年率4％ほど上昇しました。日本は逆に世界に占めるシェアは9％から6％に低下しました。

かつての日本経済は工業化社会に君臨し、世界から賞賛されました。

「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と評され、ものづくりにおいてその品質の高さとコストパーフォーマンスで世界から賞賛されました。

SONYのウォークマン、燃費のいい小型車など工業技術の国として存在感を出していました。

オイルショックを2度も経験しながらも強い日本経済と言われました。

なかには、日本型雇用が賞賛されたりもしました。

しかし、それから30年が過ぎ、テクノロジーが進化した現在の世界の産業構造に遅れをとり、生産性の低下が問題となっています。

2022年正月でのアメリカアップル社の株価時価総額は、トヨタ自動車の約10倍にもなりました。

上位3社は、マイクロソフト社、グーグル社などすべてIT企業が占めます。

グローバル市場でのテクノロジー進化の世界の産業構造に日本は大きく遅れをとっています。

また、かつて賞賛された日本型雇用の働きかたがミスマッチを起こし、生産性が低下しています。

現代の労働者の価値観は大きく変化してきています。

地球環境を保護する視点から、物質的な豊かさよりも精神的な豊かさや持続可能性を重視するようになっています。

新型コロナウイルス感染症をきっかけとした「ワークライフバランス」を重視して、次世代のベースとなる新しい働き方転換が必要になるのです。

「戦後日本はめざましい発展を遂げ、経済大国になった」という認識は、すでに過去のものです。

いつまでもその残像に固執している場合ではありません。

学校教育でも、児童生徒に本当の豊かさを大切にして、持続可能性のある社会へ参画する態度を培うことを目指していく時代になっています。