毎年、8月になると、広島、長崎では原爆犠牲者の慰霊の集いが行われます。
1945年8月6日に広島へ、8月9日に長崎へ、アメリカ軍が原爆を投下しました。
20万人以上の人びとが犠牲になりました。
そして、放射能を浴びた人が、現在もなお後遺症に苦しんでいます。
広島市立基町(もとまち)高校の生徒は、「原爆の絵」という活動をしています。
被爆した人から体験を聴きとり、想像を膨らませて絵にする活動です。
その「原爆の絵」の一つに、次の作品があります。
真っ暗な闇の中で、赤く燃える炎が立っています。
原爆の中、生き残った兄と妹が、被爆死した父をひつぎに納め、木切れを寄せ集め火葬した体験を聴きとり、絵にしたものです。
赤く燃える炎のそばで、絶望の淵に立つかのような、兄妹の表情を描いた絵です。
私も教諭の頃、中学生に平和学習を毎年行いました。
中学生の心は柔らかく、戦争の悲惨さや原爆の残酷さをまっすぐに受け取ります。
長崎修学旅行では、爆心地公園に立ち、平和祈念セレモニーを学年で行いました。
平和を願い全校生徒で作った折鶴を3年生が持っていき、捧げました。
また、被爆体験者からの聞きとりは、平和学習の中心の活動でした。
こうした若い世代に対して、教師は戦争体験や被爆体験を継承する取り組みを行なってきました。いまも行われています。
しかし、いま世界に目を向けると、その取り組みとは正反対の核兵器拡大競争が進行しています。
唯一の被爆国である日本は、「原爆の絵」のように、子どもを絶望の淵に立つような体験を二度とさせてはならない。
深く思います。
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