中学校の部活の地域移行は、2025年度から土日の活動を地域に移行して地域の人が指導できる体制づくりがいま、進められています。
その際、文化部の動向が気になるところです。
その文化部の中でも、吹奏楽部は部活をする生徒の約1割が所属し、文化部所属の生徒の約半数を占めています。
吹奏楽部は、土日の活動時間は3時間以上になることが多く、運動部よりも長くなっている場合が多いという部活です。
さて、わたしが危惧していたのは、指導者が地域にいるかどうかです。
確かに吹奏楽経験者は一定数地域にいるでしょう。
しかし、その人たちは多くの場合、たとえばホルンならホルンの演奏、打楽器なら打楽器が専門であり、吹奏楽部全体を指導するのには難しさがあります。
事実、現在も多くの吹奏楽部が地域の演奏家を外部指導者として招き入れていますが、「この楽器を指導をしてください」と依頼されている場合が多いようです。
思春期の感情の起伏が大きい生徒たち30〜50人の生徒を束ね、心を一つにしてチームとして演奏を率いるのはやはり、教員だからこそできることです。
多くの場合、コンクールなどでは、顧問が指揮者になり、演奏を支えているのです。
また、コンクールに出場する際は、楽器を運ぶのは業者に頼んだり、ほかの教職員が手伝って運んだりしているのが実情です。
土日に地域で練習するようになると、大きな楽器を地域の練習会場まで運ばなければならない。それをどうするかという問題が出てきます。
そのような課題をどう解決するかと危惧していたのでした。
すると、このたび、文化庁の「文化部の地域移行に関する検討会議」が提言をまとめ、発表しました。
やはり、指導者確保の課題や楽器運搬の課題を検討されたようです。
提言は、土日の指導者は顧問が兼職兼業の手続きを簡素化して、指導にあたる。活動場所も学校を候補にするというものでした。
どうやら吹奏楽部は、教員が指導を担っていく現状からすっきりとは抜け出せないようです。
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