箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

まわり道にも意味がある

2022年07月04日 08時33分00秒 | 教育・子育てあれこれ

私が20代だったころは、日本は景気がよく、日本経済や社会は「イケイケ」ムードでした。

でも、今の時代は閉塞感がたちこめ、経済も社会もしぼんでいき、人が生きるには厳しさを感じることも多くなりました。

その中で、ビジネスの世界では効率が重視されるようになっています。

少しでもいいポジションにいたいという気持ちになりがちです。

さらには、今の時代の余裕のなさや「あそび」の少なさも、若い世代に影を落としています。

「失敗できない」というプレッシャーが、どの人にものしかかってきます。



そんな中で、大学生にしてみれば、新卒採用からこぼれ落ちると、一生フリーターになるか非正規社員になってしまうという恐怖感を感じます。

当然のように、若い世代がコストパフォーマンスやタイムパフォーマンスを意識するようになります。

また、ネットが普及し、SNSが浸透した今の時代、若い世代にはたくさんの実業家や有名人のコメントを見聞きすることができます。

一昔前までは、スポーツ選手や有名な俳優、アーティストなどの声しか聴く機会がなかった頃とは違うのです。

そのようなコメントや声を聞いていると、学校での学習も仕事も人生も、効率的に、回り道をせずまっすぐに進むのが成功の秘訣であるというプレッシャーがかかります。

そして、ふと横を見れば、起業している、ユーチューバーとして活躍している同世代がいる。

以前なら、勉強ができる、スポーツができるという二大評価軸しかなかったのに、成功の仕方が多様化してきています。

ただ、効率化や近道は悪くはないですが、人がする経験・体験は一見無駄なことのように見えますが、私ほどの年齢になると、「あのときの無駄だと思ったことが、今にいきている」と思えることもあります。

名曲「川の流れのように」の歌詞が言っています。

でこぼこ道や曲がりくねった道 地図さえない それもまた人生・・・

雨に降られぬかるんだ道でも いつかはまた晴れる日がくるから・・・


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