校長を務めていた頃、校長室に吹奏楽部の部員が吹く楽器の音がときどき聞こえてきました。
窓越しに音楽室のベランダを見ると、同じ生徒がフルートを吹いています。
同じ曲を吹いているのに、日によって私にはちがう生徒が吹いているように聴こえたことがあります。
ときには楽しく流れるような音色に聴こえました。
でも、別の日には、何か悲しそうなよどんだ音色に聴こえたこともありました。
私は、楽器の音色は、演奏する生徒のそのときどきの心を表しているように思いました。
つまり、「楽器が演奏者の心を語る」のです。
だれにでも、人には見えない悲しみやつらさ、喜びや楽しみがあります。
演奏者が奏でる音色と心の模様が、聴く人の気持ちと合わさった時、共鳴しあうのだと思います。
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