箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

長い目で仕事を考えること

2023年06月06日 07時42分00秒 | 教育・子育てあれこれ
今の学校の教員は、せっかく教職に就いた一方で、すぐにやめる人は少なくはありません。

「私には向いていないとわかりました」とか「仕事の量が多く、休みがないです」などがよく耳にする感想です。

教職以外の仕事ではどうでしょうか。

2019年3月に卒業した人で、就職後3年以内に離職した人は高卒で約36%、大卒で約32%という数字が、厚労省の調査でわかりました。

その離職理由は、仕事が自分にあわない、労働時間、休日、休暇の条件がよくなかった、賃金の問題、会社の将来性に問題があるから、などでした。

やはり、現代の若い人はけっこうたくさん仕事をやめています。

就職した仕事を生涯の仕事にするという考えや感覚は、もはやなくなってしまったとも思えます。



私の場合、教職の楽しみややりがいは、何年か教員を続ける中で、生まれてきたように思います。

うまくいかないことは多く、失敗は数知れずのスタートでした。

それでも、当時の子どもは「しゃーないな」、保護者は「まだ経験がないから」と寛容な人が多かったように思います。

そこが、いまと違う点だと思います。

いまの子どもや保護者は、ちゃんとできない教師に対しては厳しい人が多いのです。



とはいえ、教育関係の仕事でも、民間企業の仕事でも共通して思うのは、自分の仕事を長い時間軸で考えてほしいということです。

学校での3年間、大学での4年間はあまりにも短いのです。

それに対して、社会に出てからの年数は何10年もあります。

時間をかけて自分育てをします。慣れるのに時間がかかることにも、取り組むことができます。

それを短い学生の時間軸の感覚でとらえ、「自分には向いていない」と判断するのは、少し早すぎる気がします。

この4月から教職2年目に入る教師が、1年目を終える頃、この4月から初任者として学校に着任する人に書いたメッセージがあります。


「理想を抱いて、教員生活を迎える先生方がたくさんいらっしゃることと思います私自身、こんな先生でありたい、子どもたちとこのように過ごしていきたい、という思いいっぱいで4月を迎えました。


そんな中、思い描いていたようにうまくいかなかったり、自分の不器用さや、できなさに落ち込み、悩まされることがたくさんありました。


つい、なんとか解決しなければ、と思い一人で悶々と悩んでしまうこともありますが、ぜひ、同僚の先生方や、研修で会う仲間に話してみてください。


私が、この一年を終えることができそうなのも、たくさん話を聞いてくださる先輩や、一緒に悩める同期のおかげだと思います。ですので、一人で抱え込まず、相談を大切にしてください。」






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