箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

感情が動くと忘れない記憶になる

2021年12月30日 11時05分00秒 | 教育・子育てあれこれ

わたしが小学校3年生のときのことです。

その学校ではヘチマを栽培していたのですが、ちょうど教室の窓から手がヘチマに届くところにありました。

休み時間にそのヘチマをボクシングのサンドバッグに見立てて、パンチを繰り出すいたずらをしていました。

それが担任の先生に見つかり、怒られげんこつを頭に食らいました。痛かったのを覚えています。

わたしは深く反省をしました。

もう50年以上前の話なのに、今でも鮮明にそのできごとは覚えています。

その一方で、忘れたできごとはかぞえきれないほどたくさんあるのです。

覚えているのは、たいてい「痛かった」「うれしかった」「びっくりした」「こわかった」「はずかしかった」などの何らかの感情と結びついたできごとです。

ここから思うことがあります。

いつまでも人の心に残り、その人の人格を形づくるのは、心や感情が動く体験や感覚であるということです。

心で感じたことは、いつまでも残るのです。

その意味で、思うことが二つあります。

一つは、学校教育の中では、子どもの心を動かせる場面を用意する必要があるということです。

授業の中で、教材に触れ感銘を受けるとか、学校行事でうれしかったり、楽しかったりする経験をすると、その子の人格形成にまで好ましい影響を及ぼすことになります。

もう一つ思うのは、教師からの理不尽な体罰は、子どもの中に「痛かった」「怖かった」などの感情をいつまでも残していくことになるということです。その痛みは一生忘れない記憶として残るのです。


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