ケンメリレポート from ケンメリパラダイス

C110型スカイライン 通称”ケンメリ”にまつわるブログです。
ケンメリに乗ったり触ったりしたら更新してます。

ケンメリレポート プロローグ

1995年03月14日 13時33分39秒 | レポート

免許を取って間もない20歳の頃、ひょんな事から選挙活動の手伝いをすることに。
青梅の山中を歩いて候補者の遊説活動に付き合い歩いている途中で一件の解体屋を発見。
そこに置かれていた一台の車。
「これが・・・スカイライン!?」
免許を取って家の車はR33セダンの新車。そしてそこの解体屋の入り口(というか道路沿い)に置かれた車は白いセダン。
リヤのエンブレムでスカイラインだということがわかる。
今から推測するに、2000GTX 5MT 前期型。長年放置されているものの、錆等は少なく、まだ走れそうな雰囲気は素人な俺にも解る。

このスカイラインこそが当方が初めて(意識して)見たケンメリである。

この車に興味を持った当方はそれからと言うものの大学の講義の合間を見つけてはこの解体屋に
足を運んでただただ眺めていた。
この車を直す術を持たない(場所もお金も知識もない)当方はこれを見ながら弁当屋で買ったから揚げ弁当を
R33の中で食べると言うことが日課となっていた。

そんなある日、意を決して解体屋の人に話しかけてみた。
生憎社長(だと思う)は不在でその奥さんが応対してくれた。
話しを聞くと7年前にここに運ばれてきたこと、運ばれてきたときは自走してきたこと、これを100万円出して買いたい、と言う人がいるなど、説明してもらったが、当時読み始めていたノスタルジックヒーロー誌には
100万円出せばそれなりの売り物が出ていたことを当方は知っていた。

後日訪れた際に社長と思しき男性が積み上げられた車体の上におり、
恐る恐る門前に置かれたケンメリについて尋ねると
「30万円で譲る」
との返答が。

大学二年生で二桁万円の貯金は当時の自分には難しい話で手も出ず足も出ずただひたすら
ケンメリを見ながら飯を喰うという訳の分からんことを繰り返し、ケンメリを駆る想像に浸っていた。
しかし、そんなシアワセは突然姿を消した。
ある日いつものように弁当を買ってケンメリを見に行くとそこにあるはずのケンメリがない。
この日はたまたま友人が同行しておりその彼が言うには
「さっき白い車がレッカーで運ばれていったぞ」
と。
それだ。

自分の物でもなければ買う予定でもない車だったが、なんとなく楽しみを奪われてしまった喪失感に襲われる。(このときの友人曰く、当方の落胆振りは相当だったと)

数日後、古本屋に行ったときある一冊のノスヒロ(Vol.40)を手にする。旧車目的ではなく、スカイラインと書かれた記事に興味があった。箱のセダンのGTRが載っていたが、たいして気にとめなくページをめくっていく。ある旧車ショップのページで手が止まった。
「スカイラインGT・・R・・・ケンメリ?」
見開きで真ん中に大きく映し出された銀色の車。
タイヤの周りにつや消し黒でアーチ状の部品が付けられフロントのグリル内にはGT-Rのエンブレム。
これがケンメリの2ドアバージョン、レーシンググレードであるGT-Rというものと理解するのはもう少し後のこと。
車の写真を見たときから、寝ても覚めても離れない。
この日、この瞬間、ケンメリとの出会いを果たした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする