鳥居坂下交差点から麻布台(武蔵野台地)の丘陵地帯である六本木六丁目方向を撮影してみました。丘陵地帯と言っても斜面には中層マンションやビル群が密集して建っているので気が付きにくいですが、まぎれもなくそうです。大阪の街がフランスの首都パリのように川沿いの低地に発達している「水の都」であるならば、東京は起伏のある微高地の上に造られた「坂の都」と言えるでしょう。
急坂となっている「鳥居坂」をズームで撮影してみました。この坂や、坂周辺の斜面を見るだけでもその起伏の激しさを実感することができます。港区に住んでいる人々は毎日のようにこういった坂や斜面を上り下りする生活をしていると思うと、不憫な気がしてきました。
通常は都市というものは平坦な場所に発達するものですが、全国的に見ても東京だけは例外で港区(の中でも旧麻布区・旧赤坂区)のようなやや内陸の丘陵地帯の上にも街並みが広がっています。銀座や東京駅周辺といった平坦地に発達した街と比較すると、立体的な都市の広がりの景観を楽しむことができます。坂下から見上げたり、坂上から見下ろしたり見渡したりと。
緑の住んでいる千葉県北西部の「下総台地」や、西東京全域や埼玉県西南部の一角を占める「武蔵野台地」は高い標高の平坦な台地がどこまでも続いている地形の上にベッドタウンが発達しています。そんな場所に長年住んでいる緑から見ると、港区は(地形的に)郊外を散策している気分になります。
外苑東通りの右カーブを過ぎると麻布十番一丁目地区から「六本木五丁目地区」へと入っていきます。低地である新一の橋交差点から緩やかな上り坂を登ってきたので、かなり標高が高い場所ですが、まだ丘陵地帯の中腹付近です。
遠くには同じ港区の「赤坂九丁目地区」にある東京ミッドタウンの「ミッドタウン・タワー」が見えました。
ここで外苑東通りは「麻布十番商店街」のメインストリートと合流していきます。麻布十番商店街、以前に散策したことがありますが、大変閑静な雰囲気でおしゃれな商店街だったことを覚えています。
もともと赤羽橋・芝公園地区から六本木へ通じている道路は元々、現在の麻布十番商店街のルートでした。道路幅が広い外苑東通りは東京オリンピック前後の時期に新しく作られた道路なのです。
「六本木ヒルズゲートタワー」の前を通り過ぎていきます。
外苑東通りと「六本木けやき坂・芋洗坂」が交差している交差点前に到着しました。ここから先が「六本木六丁目地区(通称「六六」)」となります。以前の六本木の散策ではこの交差点から芋洗坂へ向かいましたが、今回はけやき坂を通って六本木ヒルズの敷地内へ進みます。
外苑東通りはこの先でテレビ朝日本社ビルの敷地に沿って緩やかな左カーブを描いたあとに「ハリウッドトンネル」と呼ばれているトンネルで六本木ヒルズの敷地内(六六プラザの真下)を通っていきます。
交差点から「芋洗坂」の坂下を撮影してみました。この芋洗坂を登っていくと、外苑東通り本線と六本木通りが交差している「六本木交差点」へ向かうことができます。ちなみに今まで外苑東通りの真下を通っていた都営地下鉄大江戸線のトンネルは、この交差点の真下で右へ曲がって芋洗坂の下を通っていきます。
交差点から西麻布方向へまっすぐ伸びている「六本木けやき通り」と「テレビ朝日本社ビル」です。六本木ヒルズの再開発工事と並行して、もともと六本木六丁目の地にあったテレビ朝日の本社ビルは建て替えられました。カーブや直線の壁面や、全面ガラスを多用した先進的な建物となっています。住宅街の比率が高い六本木地区の閑静な雰囲気に溶け込むデザインですね。
六本木ヒルズは麻布台の高台の上に建設されていますが、よく見ると非常に緩やかな斜面に道路や建物が作られているのがわかります。
テレビ朝日本社ビルと六本木ヒルズの住居地区である六本木ヒルズレジデンスの間を通っている「六本木けやき坂」を散策していきます。
外苑東通りと芋洗坂・けやき坂がクロスしている交差点が地図の中心点です。麻布十番駅前から六本木六丁目地区まで散策してみると、低地、坂、切通し、トンネル、窪地形など非常に立体的に東京の町並みを楽しむことができます。