東京ミッドタウンの再開発工事によって整備された緑地帯「ミッドタウンガーデン」の中を散策して都営地下鉄大江戸線六本木駅へ向かいます。ミッドタウン・タワーの高層階に入居しているシティホテル「ザ・リッツカールトン東京」へのアプローチ道路の脇の散策道を歩いていきます。
ミッドタウンガーデンの中心的な存在である「芝生広場」は何かイベントが実施されているためか立入禁止となっていました。この芝生広場は毎年6月の上旬前後、新緑の緑が一番美しい時期に来るといいと思います。今年の夏は例年以上に高温だったためか、芝生の一部が枯れてしまっている箇所も見えました。
ミッドタウンガーデンとガーデンサイド(サントリー美術館やショッピング街が入居している)を結んでいる歩道橋の上にやってきました。この歩道橋はザ・リッツカールトン東京へのアプローチ道路を超えていきます。
歩道橋の上から撮影したザ・リッツカールトン東京のエントランスへと続いているアプローチ道路です。東京都心部において最高級グレードを誇るシティホテルらしく、タクシーやハイヤーが通り抜けていきます。
同じ歩道橋からミッドタウンガーデンを撮影してみました。アプローチ道路に沿って桜並木が外苑東通り方向まで続いています。4月の時期になると桜並木を楽しむことができます。ちなみにこの桜の木々は防衛庁時代に敷地内に植えられていた木々を再開発工事に合わせて移植されたものです。
サントリー美術館などが入居している「ガーデンサイド」。ミッドタウンガーデンに面した区画はレストランや屋外カフェとなっています。本当にここがあの重苦しい雰囲気に包まれていた防衛庁があった場所なのかと思うと感慨深くなります。
今年2012年(平成24年)は東京ミッドタウンが開業してから10周年を迎えていて、様々なイベントが開かれているそうです。
歩道橋の上から撮影した檜町公園の緑地帯です。ミッドタウンガーデンと一体的な構造となっているので、ミッドタウン側からそのまま檜町公園の敷地内へ入ることができるようになりました。こうして見るとまさに公園自体が斜面の上に造成されていることがわかります。
歩道橋を降りて桜並木の散策道を進みます。東京ミッドタウンは東京都心部における都市内再開発の一つですが、敷地面積全体に対して緑地帯の占める割合が非常に多いのが特徴です。数字にしては40パーセント。
檜町公園を含め敷地面積10万平方メートルの東京ミッドタウンの約40パーセントが緑地帯となっていて、防衛庁時代に敷地内に植えられていた大木の木々や日本庭園が再配置されています。再開発工事で緑地帯の存在を重視するという考え方は、これ以降の全国の再開発事業に取り入れられているそうです。
ミッドタウン・タワーとガーデンサイドの間には吹き抜け空間である「ガレリア」が造られています。ここを通り抜ければ外苑東通りまで最短ルートで進むことができますが、緑地帯の散策道を進みます。
振り返ってザ・リッツカールトン東京のエントランス方向を撮影してみました。緑地帯に囲まれた高級ホテルというのも珍しいのではないでしょうか。
なぜ緑地帯というものが都市内の再開発工事において重要視されるようになったのか。それはやはりそれ以前の再開発工事に対する反省の意味もあったのかもしれないです。ここ六本木地区で再開発されたエリアといえば何と言っても「六本木ヒルズ」、そして1980年代に進められた「アークヒルズ」があります。
どちらも高層ビルが立ち並ぶだけの無機質な空間であり、訪れる人々や近隣の住民が楽しめる要素がほとんどないという批判がなされました。また近年はヒートアイランド現象など地球環境に配慮した再開発工事が求められるようになり、緑地帯を設けようという流れになったのだと思います。
ミッドタウンガーデンの敷地内にはデザイン事務所「21_21 DESIGN SIGHT(トゥーワン・トゥーワン・デザインサイト)」の建物が建っています。建築設計は安藤忠雄氏が担当し、緑地帯の雰囲気に溶け込むようなデザインとなっています。
ミッドタウンガーデンの敷地の散策道を除いた痴女の部分はほとんどが芝生広場となっていて、きれいに維持管理がなされていました。
引き続き桜並木の散策道を歩いて外苑東通りを目指します。
東京ミッドタウンの緑地帯の面積は4ha、防衛庁時代の緑地帯の倍以上の面積が確保されています。