梟の独り言

色々考える、しかし直ぐ忘れてしまう、書き留めておくには重過ぎる、徒然に思い付きを書いて置こうとはじめる

衆院選考:憲法改正と外交

2012-12-11 17:06:56 | 雑記
ここ一年余りで大分タカ派の言動が目立って来た、憲法改正(正であるかどうかは疑問だか)を声高に叫ぶ輩が立候補するだけでなく現役の議員が「我が党が政権与党となったら必ず改憲をする」と堂々と言い放って憚らない、
数十年前なら考えられない言動だが世の中が全体的に右傾化したというのだろうか?
自分が見る限りそうは思えない、「ネトウヨ」(ネット右翼)と言う連中がバーチャルの空間でまるで戦前の様な差別発言を繰り返しているが此れを「民意」だ等とは思っては居ないだろう、彼らは己の存在が見えないが為に極端な発言をしているだけでその中身は殆ど無いに等しい、本当に彼らが口汚く罵る対象に論理的な間違いや客観的に倫理に悖るという事があるなら堂々と出て来て発言すれば良い、
もっとも石原慎太郎氏の様に結構な知識人のはずの人間が全く非論理的な「三国人は云々」と言う様な発言をするのだから堂々と発言するとしても非論理的である事は間違いないのだが、一般人は大抵「あの発言はどうかね」と言った反応だろうと思う。
無論憲法9条の事は絶対に改憲してはならないとは思えない、共産党の言う様に「憲法9条は日本の宝」と言うのも納得しかねる、第一あの憲法は無条件降伏の時にマッカーサーの草案を元に占領国の制定した物だと言う事は周知の事実である、
未だに敗戦国条項が削除されていない状況で世界的にも不平等な日米地位協定が存在するのは占領国が日本の牙を抜くと言うより体力を弱める為に策定した憲法には日本に不利な所が有るだろう事は当然である、専門的な法解釈ではなく極一般的な国民が納得のする憲法にする事には反対する気持ちは無い、
しかしその中で「日本も戦力を持つべきだ」と言うのはそのまま額面通りには賛成しかねる、「国家間の交渉が上手く行かないのは戦力と言う後ろ盾が無いからだ」と言うのは外交と言う物と軍事力と言うものの役割が逆になっている、
「外交は武力無き戦争だ」と言うのは有名な外交官の言葉だが今の日本にはその「外交戦略」どころか「外交戦力」そのものが余りにひ弱すぎる、
駆け引きも根回しも全く出来ない政府では「ネトウヨ」が馬鹿にしている中韓両国にすら良い様にあしらわれている、当然ロシアやアメリカからすれば赤子の手をひねるに等しいだろう、
この流れから「だから軍隊を持つ」と言う理論は出るわけも無い、正解的に此れから軍事衝突がおきるリスクは相当低い、が成熟していない国は未だ軍事力を誇示する事で外交を有利に出来ると考えている節もある、それでも実際には経済関係が民間レベルで深く交錯していて一気に国交を狭めると言う事は経済的な障害が大きいと言う事は今回の尖閣問題から起きた中国国内の一部暴動と同じかそれ以上に経済的な打撃を蒙っていると言う報道もある。
自衛隊は局地戦で言えば世界でも優秀な組織だと言う、此れを「戦力ではない」と言うごまかしを続ける事は逆に何処まで戦力を保持するかと言う事が曖昧になる、その点で言えば「憲法9条」に手を加える事はある程度やむを得ないだろうとは思う、
しかし、今の日本政府は対外的に大きな影響を持つ行動は先ず「武力無き戦争」を上手にこなせるだけの外交手腕が無ければ先の大戦で日本軍に蹂躙された国々にとっては青の時の悪夢を思い起こさせるだけだろう、
外交手腕、すなわち会話での国家間交渉が苦手だから戦力を持つと言う事は云わば話し合いの苦手な男が直ぐに手を上げると言う事に近い、
少なくとも「国家間交渉を有利に進める為に戦力を持つべきだ」と言う様な人間が政権に座る恐れがある限り「憲法9条」の改憲は反対だ