河口公男の絵画:元国立西洋美術館保存修復研究員の絵画への理解はどの様なものだったか?

油彩画の修復家として、専門は北方ルネッサンス絵画、特に初期フランドル絵画を学んできた経験の集大成を試みる

公務員の定年延長をしたら、どうなる?

2020-05-20 20:18:57 | 絵画

今回は美術に関係なしだが、安倍が公務員の定年延長を口実に検察の中立を犯そうとしたことは明らかだが、公務員の定年65歳に延長が口実に使われたことで、ちょっとカチッと来たので一言。

とにかく公務員とは何者か?私も一時期「公務員:文部技官」と呼ばれていて、お堅い職業と思い込んでいたが、実情は働き始めて、なんとも生ぬるい職業だと分った。当時から非正規職員というのが居て、業務の隙間を埋める職があって、学芸課には秘書とか補佐員とか言う名前で採用されていた。

小泉純一郎が首相の時、行政改革として「公務員減らし」とか「非正規職の派遣業解禁」また「郵政民営化」とかが行われ、まるで世の中を改善している様な政策を行った。私の職場の国立西洋美術館は公務員減らしの中心的な機能を与えられ、大学などと同様、文部省は文科省となり、多くの所属機関が「独立行政法人」という機構に改められたが、実際には国の機関であって、身分は法人職員であっても、給与は国から支払われているから、何を行革したのか不明である。それどころかその後、必要な予算は、美術館は展覧会などの事業を行って自ら稼ぐように仕向けたが、必要経費が十分に稼げるはずもなく、結局は国からの交付金が膨らんでいた。小泉の行革はそんなものであった。郵政民営化では東芝を破綻に追い込んだ社長を民営化後の郵政事業の最高責任者にすえて、オーストラリアの郵便事業を買収し5兆円からの損失を与えた。つまり」日本国国民が育てた資産に被害を与えたのである。それで郵政の問題は終わらなかったのは、近年問題を起こした保険契約の被害や年賀状などを局員に自費で購入させるなど・・・何が民営化によってよくなったのか分からない結果である。確かに大学の職員は言葉上、公務員で無くせば国立大学レベルで各大学で数千人づつ公務員減らしを達成し、郵政省に属する郵便局員(中には現業職と呼ばれる身分もある)が公務員から減らされて効果があったような「ふり」を小泉はした。

もっとひどいのは派遣業の解禁だろう。当時小泉はグローバリズムという言葉が盛んに用いられて、日本も遅れてはならないとか言って、要するに人件費が安い国に工場を移転することを推奨し、日本法人の国外での収入には法人税を割引し優待したのである。そこで起きたのは国内で非正規社員が増え、人件費が抑えられ、年所得が200万円、300万円という人が増えて、実質的には国内生産、国内消費を失なわせたのである。失われた20年とか言われた実情は政治のまずさである。

そこで今回、安倍が公務員の定年を65歳にしようと法案化を急いでいたが、黒川検事長を検事総長にするために検察官法を無視して、自らの違法行為を隠そうとしてきたことは多くの国民の良識で中絶したようだが、公務員の定年延長は議案としてまだ残っているだろう。私にはこれが許せない。

人手不足であるから定年を延長して働いてもらう・・・などと「糞くらえ!!」だ。まずぼんくら、無能な公務員を減らせ!!公務員が安全安心な身分が保証された立場で、のんびり適当に働ける状況を改革せよ。私の居た国立西洋美術館でも庶務の半数はぼんくらで、非正規職員に様々な雑務をやらせ、自分の仕事は半分しかやらないで5時に帰宅するものがいるし、学芸課では研究職といいながら研究が出来ない者、しない者が半数以上はいる。学芸課員にとっての重要な仕事が「展覧会開催」という美術館がディズニーランドに近い文化レクレーションの場所になっていることが、学芸員の資質を下げる大きな問題だが。時に5億円からの作品購入予算を使って「偽物」を購入する。それがばれても身分は保証されているから首にはならない。責任を分散回避するために「購入委員会」と称して「作品鑑定」と「価格調査」を行う外部の専門家(?)を使って責任をごまかしてきた。購入を担当する学芸員自身が「目利き」となる学術調査能力を持たない教育を受けて来ていることは否定できなくても、こういう事態を起こさせない改革が必要であるが、公務員の実体は「責任の無さ」から来ているだろう。

欧米との交流で成立する西洋美術館の業務であったが、欧米で通用する資質が養われなければならないのに、語学は翻訳しか出来なくて、会話や外国語での執筆は無理というのではしようがない。65歳定年は若者の雇用を妨げ、人件費だけ国予算から奪うだろう。

黒澤明の映画に「悪い奴ほどよく眠る」というのがあった。この言葉を思い出す。

また、つまらないことを書いてしまった

次は、きっと絵画描写について書けるようにします