河口公男の絵画:元国立西洋美術館保存修復研究員の絵画への理解はどの様なものだったか?

油彩画の修復家として、専門は北方ルネッサンス絵画、特に初期フランドル絵画を学んできた経験の集大成を試みる

いらないもの

2020-12-18 23:57:32 | 絵画

一年前に「おせちの季節だい」とかいう記事を書いたようだ。だんだんとおせちを作る意味がなくなって来て、今年はおせちとしては作らないだろう。父が亡くなって3年半たって、もう誰かに作るということもなく、自分にさえいらなく思う。

いや実は歯が痛くて何でも食べられるわけではないからだ。雑炊ばかり食べて野菜不足、栄養の偏りか・・・免疫力もなくなってきたみたい。来年の頭にインプラント手術を用意している。やっとこの田舎の浜田でもインプラントをやってくれる医師と巡り会えたのだ。まあここ一年は手術の為にどこかに引っ越すこともなかろう。これまで自分が学んだ西洋美術についてとか、修復についてと開花すことが出来たらと思ったが、あまり役に立てなかった。Kちゃんが芸大目指すと言ってくれて少し何かできたかもしれないが、不十分だ。

そうこうしている内に高齢者になって、自分に満足していないのが悔しい。だからこの先はもっと自分に明快な思考と実行を強制したい。と言ってもそう大したことではない。本質はアナーキーだから、個的な実行力を持たせたいだけだ。

ネットでネパールの犬事情をやっていて、二度人を噛んでも殺処分にならなかったどころか、獣医が来てタダで去勢手術をしてくれて、皆でその犬が穏やかな性格になるように見守ってやっているという話だった。ネパールではあまり野良犬が居ないそうで、みな狂犬病などの予防注射をしているそうな。何故、野良犬が居ないのかというと、犬の売買が禁止されてブリーダーが居なくて、有り余るほど犬が世の中に居ないからだ。日本では犬猫ブームだが、毎年60万匹以上の犬猫の売買がされて、何万匹という犬猫が殺処分されている。こんなことで良いのだろうか。野良猫にはエサをやるなという自治体もある。何度傲慢な態度であろうか。猫は人間が作ったペットであって、野良猫は「野生の猫」ではないのに、エサをやるなというのだから、愛玩動物の遺棄、虐待は犯罪だと法律まであるのに、捨てられるとエサをやるなと言うから私には許せない。

だから、金の為に殺すほど余る犬猫を作り出すブリーダーを法律で禁止すればよいのだ。これは世界にいらないものの一つだ。

それから大学受験もいらない。「競争によって人は磨かれる」と思っている人が居るが、何のための、誰のための競争だ??

小中学校から自分の意思で考える教育を与えず、集団の価値観で個人の多様性を否定し、制服を着せて一羽一からげにする。労働力を要求する経済界から政治献金、口利き料をもらって、主体的思考力の無い労働者を育てるように教育システムを整える自民党の長い歴史に反抗もしない日本の大方のものが嫌いだ。

学問は自分の為にするのであって、会社のため社会のためにやるのではない。まず自分のために学んで、それを生かして社会に役立てられればということだ。

またいつも愚痴が出た。ハンコもいらない。元号制もいらない。

今日はなんだか機嫌が悪い。ニュースで犬と散歩していたら、その犬を蹴り殺した男が居て逮捕されたという。こんな男には犬の糞を顔に塗りつけてやりたい。

酒でも飲みたい気分だが、歯が痛いのです。では。


日本学術会議の法人化 (加筆あり)

2020-12-18 12:27:03 | 絵画

最近、自民党の「日本学術会議の在り方の検討会」とかで会議の主体を独立行政法人にしたらという案が出されて研究者や会員から批判が噴出している。独理行政法人を作ったのは小泉純一郎と竹中平蔵であるが、郵政民営化とか行政改革という言葉で出したアイデアで特に文部省傘下の機関の多くを国の支配権限を残して、運営予算を減らして、少しは自分たちで稼げと放り出して「行政改革」だと自慢した制度である。名目上の公務員減らしということだったが、法人職員とは言っても準公務員である。法律上、給与は減らすことはできなかった。大学も運営予算を減額されて、民間と共同研究を行えとか、金になることをやれとか言われて、特に金のかかる理系の学者は、それこそ今回問題にもなった防衛省からの安全保障にかかわる研究に与えられる研究交付金に飛びついた教授も出る始末だ。

国公立の大学や研究機関が交付金を減らされた一方で、私学交付金を増やした。その結果、出来たのが理系なのに分数の掛け算、割り算が出来ないぼんくら学生が行く、昔でいう「駅弁大学」を増やした。

私の勤めた国立西洋美術館は独立行政法人国立美術館となって減額された予算に、自分たちで運営費は稼いで暮らせと言われて、お金になるつまり入場者の多い「大衆向け展覧会」をやり始める。それこそ学芸員は西洋美術を専門とする研究職にありながら国際論文も書けなかった訳だから、展覧会ばかりやって来たので言い訳にもならないだろうが。京都国立博物館においては目も当てられない「展覧会」・・・全く専門でも何でもない、ただ入場者で利益を得ようとして、それとも当てつけか、なんと「スターウォーズ展」をやったのだ。最近でこそ日本文化に陽が当たり仏教彫刻の展覧会で大入りもあったが、常に何か新しく「大衆に媚びるテーマ」が可能なわけでもないのに皆研究心を失ってしまう。当時の西洋美術館の仲間たちは、集客の多い名ばかりの展覧会を企画するのを恐れた。

小泉と竹中の頭の程度が行政改革の嘘を作り出したが、今の自民党の作業部会も反省はない。彼らは専門家の意見を聞き、現場を見る意識は持ち合わせない。よく見れば何一つ良くなったことはない。郵政が民営化されて、東芝を左前にした社長が優勢の新しい社長になって、5兆円の損失をオーストラリアで出したことを忘れてはいけない。国民が長い年月掛けて育てた郵便局を亡き者にしたのである。その後の郵政の活躍ぶりの不徳はご存知の通りである。

「角を矯めて牛を殺す」という言葉あるが、今は日本学術会議を殺そうとしている。

昔、経済は一流、政治は三流といったが、今は経済は三流、政治は五流だね。

菅は学術会議の任命権者として「総合的、俯瞰的活動を・・・」とか言って権力を誇示したが、「任命」は法律上の形式であって、実際の権限ではない。当の総理大臣は誰によって任命されるか?天皇が任命するが、天皇が任命拒否できるか!!??これは法律上の形式なのだ。馬鹿じゃないか。菅がものを知らない政治家でああることがバレバレではないか!!

何故、こんな日本になったのか??悲しい。