日本は奴隷が存在しなかった稀有の国
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加瀬英明
日本は世界の国々のなかで、奴隷が存在しなかった、珍しい国だ。
ところが、日本国憲法第3章「個人の尊重・幸福追求権・公共の福祉」 の第18条は、「『奴隷的拘束及び苦役からの自由』何人もいかなる奴隷 的拘束も受けない」とうたっている。
現行憲法は米国人によって書かれたものだったが、米国は日本国憲法を公 布した81年前に、憲法を修正して奴隷制度を廃止したばかりだった。
この文言は、米国憲法にふさわしかった。日本について無知だったか ら、日本にも奴隷が存在したと思い込んでいたのだった。
今日の日本語は、古代の「大和言葉(やまとことば)」、中国から借用し た「漢語」、幕末の開港と明治以後に津浪(つなみ)のように押し寄せた 「西洋語」による、三重構造になっている。
日本は太古の昔から、「常世(とこよ)の国(こく)」といって、遠い海原 の彼方にある理想の国があって、よいものがもたらされると信じて、海外 から文物を積極的に取り入れては、日本に心情に合うようにつくり変え て、摂取してきた。「民」という漢字は中国から入ってきたが、『角川漢 字中辞典』でひくと、もとの字形が「把手(とって)のある錐(きり)の字」 と説明され、小学館『新選漢和辞典』によると、「奴隷の目を針でさして めくらにした形である」と解説されている。
日本と米国、日本と中国も、まったく異なっている国だ。
日本においては、歴代の天皇によって民(たみ)は古代から「大御宝(おお みたから)」「みたみ」「おおむたから」「おおんだから」と呼ばれてきた。
ちなみに「中華人民共和国」の「人民」は日本語であり、明治に入って から中国語の「民」・「生民」が近代にふさわしくないことから、日本語から 借りたものだ。北朝鮮の「朝鮮民主主義人民共和国」も同じことで、日韓 併合まで朝鮮半島には 「奴婢(ぬび)」と呼ばれる奴隷がいた
コロナの感染がひと休みして、夜の街の賑わいが戻っている。小料理屋 に寄ると「これはサービスです」といって、小皿か小鉢に盛られた酒菜 (さかな)がでてくる。
「あの店はサービスがよい」とか「サービスが悪い」という。都市化が進 んで郷里が遠くなったために、テレビで“墓参り代行サービス”が繁盛して いるのが取りあげられていた。
「サービス」という英語がすっかり日本語になって、日常使われてい る。だが、「サービス」というヨーロッパ諸語の言葉の出自が、奴隷から 発していることを知らない
ヨーロッパ諸語のもとは、古代ローマ帝国の国語だったラテン語である が、英語圏でもっとも権威がある『ウェブスター英語大辞典』によれば、 サービスの語源はラテン語の「セルヴィティアムservitium」であって、 「奴隷の肉体、奴隷の状 態」を意味している。
日本の学校歴史教科書では、民主主義が古代ギリシアのアテネから始 まったと教えているが、アテネの経済は売り買いされ、生命の保障がない 奴隷によって支えられていた。とうてい民主主義とは呼べない。
奴隷制度が存在した国は、心がない国だ。
日本の憲法は日本の心にふさわしいものに、しなければならない。外国 人が書いた憲法は、日本人の心を荒んだものにしている。
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わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
頂門の一針 6010号
2022(令和4年)年 1月7日(金)より
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ギリシャの「民主制」・「民主政治」と現代の「民主主義」・「民主主義政治」とは違う、と習ったことは覚えているんですが。
そして、「ギリシャの場合は奴隷がいたから今とは違うんだ」、とも習ったんだけど、じゃあその「奴隷とは何か(奴隷の定義)」については習わなかったんですよね。
授業終了時に聞きに行きゃ良いようなもんだけど、それはしないもんだから。ええ、怠け者なんです、昔から。
それで、時代を大きく飛び越して、いきなりアメリカの黒人奴隷の話になる。ますます訳が分からなくなる。
揚げ句の果てに朝鮮の奴隷の話になると、もう何が何だか。
そういうわけで、近いうちにまた朝鮮の身分制について、転載を目論んでいます。