今回のクラシックの話題は『ヴァイオリン姫』、ヒラリー・ハーンの登場である。ヴァイオリン姫などという呼び方は一般的にはしないと思うが、このブログの260回目(カテゴリーは音楽BGM)に「歌姫」と題してバーバラ・ボニーのことを投稿したのでそれと対になるようにタイトルをつけた。
ヒラリー・ハーン(Hilary Hahn 1979年~)はアメリカを代表する女性ヴァイオリニストである。バージニア州レキシントン生まれでボルティモア出身のドイツ系アメリカ人である。3歳の時に地元ボルティモアの音楽教室でヴァイオリンを始め、1991年、11歳の時に音楽ホールで初リサイタル。1996年、16歳の時にはフィラデルフィア管弦楽団と協演し、ソリストとしてカーネギーホールでの華々しいデビューを飾った。そして1997年、デビューアルバムである「バッハ:無伴奏ソナタ・パルティータ集」がディアパゾン・ドール賞を受賞し話題となる。2001年のネヴェル・マリナー指揮のアカデミー室内管弦楽団との協奏曲(ブラームスとストラヴィンスキー)の録音により、2003年、グラミー賞を受賞している。近年はソリストとして世界中を飛び回って演奏活動を続ける一方、室内楽や映画のサウンドトラックで演奏するなど、活動の場を大きく広げている。
僕はこれまでに上記の「バッハの無伴奏ヴァイオリン組曲」を初めとして、ブラームス、ストラヴィンスキー、メンデルスゾーン、ショスターコヴィチ、シェーンベルグ、シベリウスのヴァイオリン協奏曲をCDで聴いてきた。その中でバッハの無伴奏は17歳の時のアルバムで、この演奏の困難な曲に対して、その驚異的なテクニックと、若きヴァイオリニストの瑞々しく力強い演奏を聴くことができる。アルバムの中でハーンは「…バッハは私にとって特別なもので、ちゃんとした演奏を続けて行くための試金石のような存在です。…どれ一つとしてバッハでは誤魔化しがききません。逆に全部を上手くこなせれば、この上なく素晴らしい音楽が歌い始める。今度の録音に、そんなバッハの音楽に対する私の愛が少しでも多く表れていればうれしいと思います」と語っている。
バッハ以外の協奏曲ではストラヴィンスキーの「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」でのテンポが良く明るく歯切れのある演奏、それからレーベルをドイツ・グラモフォンに移籍してからのものではシェーンベルグの「ヴァイオリン協奏曲 作品36」で聴かれる、鬼気としてたいへん緊張感のある演奏が特に印象に残っている。
そしてハーンと言えば投稿した画像にも見られるような、単に美しいということだけではない独特な容貌が印象的である。本人に言えば怒られてしまうかもしれないが…絵画で例えればマニエリスム絵画に見られるデフォルメされた女性像が思い浮かぶし、立体的に見れば、どことなくドールっぽいところが現代の球体関節人形の作品に通じるようなミステリアスな表情を持っている。ヴァイオリニストやピアニストなどクラシックの女性ソリストにとってはルックスやファッションもとても重要な表現要素であると思う。
今年の冬は寒さが厳しい日が続きそうである。寒い工房での作品制作の合間にヒラリー・ハーンのエネルギッシュな熱演を聴いて乗り切ることにしよう。 画像はトップがCDアルバムの写真より転載したヒラリー・ハーンのポートレイト。下が向かって左からCDアルバム「バッハ:シャコンヌ」のジャケット、「ブラームス:ヴァイオリン協奏曲/ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲」のジャケット、ポートレート画像2枚、「シェーンベルグ:ヴァイオリン協奏曲/シベリウス:ヴァイオリン協奏曲」のジャケット。
ヒラリー・ハーン(Hilary Hahn 1979年~)はアメリカを代表する女性ヴァイオリニストである。バージニア州レキシントン生まれでボルティモア出身のドイツ系アメリカ人である。3歳の時に地元ボルティモアの音楽教室でヴァイオリンを始め、1991年、11歳の時に音楽ホールで初リサイタル。1996年、16歳の時にはフィラデルフィア管弦楽団と協演し、ソリストとしてカーネギーホールでの華々しいデビューを飾った。そして1997年、デビューアルバムである「バッハ:無伴奏ソナタ・パルティータ集」がディアパゾン・ドール賞を受賞し話題となる。2001年のネヴェル・マリナー指揮のアカデミー室内管弦楽団との協奏曲(ブラームスとストラヴィンスキー)の録音により、2003年、グラミー賞を受賞している。近年はソリストとして世界中を飛び回って演奏活動を続ける一方、室内楽や映画のサウンドトラックで演奏するなど、活動の場を大きく広げている。
僕はこれまでに上記の「バッハの無伴奏ヴァイオリン組曲」を初めとして、ブラームス、ストラヴィンスキー、メンデルスゾーン、ショスターコヴィチ、シェーンベルグ、シベリウスのヴァイオリン協奏曲をCDで聴いてきた。その中でバッハの無伴奏は17歳の時のアルバムで、この演奏の困難な曲に対して、その驚異的なテクニックと、若きヴァイオリニストの瑞々しく力強い演奏を聴くことができる。アルバムの中でハーンは「…バッハは私にとって特別なもので、ちゃんとした演奏を続けて行くための試金石のような存在です。…どれ一つとしてバッハでは誤魔化しがききません。逆に全部を上手くこなせれば、この上なく素晴らしい音楽が歌い始める。今度の録音に、そんなバッハの音楽に対する私の愛が少しでも多く表れていればうれしいと思います」と語っている。
バッハ以外の協奏曲ではストラヴィンスキーの「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」でのテンポが良く明るく歯切れのある演奏、それからレーベルをドイツ・グラモフォンに移籍してからのものではシェーンベルグの「ヴァイオリン協奏曲 作品36」で聴かれる、鬼気としてたいへん緊張感のある演奏が特に印象に残っている。
そしてハーンと言えば投稿した画像にも見られるような、単に美しいということだけではない独特な容貌が印象的である。本人に言えば怒られてしまうかもしれないが…絵画で例えればマニエリスム絵画に見られるデフォルメされた女性像が思い浮かぶし、立体的に見れば、どことなくドールっぽいところが現代の球体関節人形の作品に通じるようなミステリアスな表情を持っている。ヴァイオリニストやピアニストなどクラシックの女性ソリストにとってはルックスやファッションもとても重要な表現要素であると思う。
今年の冬は寒さが厳しい日が続きそうである。寒い工房での作品制作の合間にヒラリー・ハーンのエネルギッシュな熱演を聴いて乗り切ることにしよう。 画像はトップがCDアルバムの写真より転載したヒラリー・ハーンのポートレイト。下が向かって左からCDアルバム「バッハ:シャコンヌ」のジャケット、「ブラームス:ヴァイオリン協奏曲/ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲」のジャケット、ポートレート画像2枚、「シェーンベルグ:ヴァイオリン協奏曲/シベリウス:ヴァイオリン協奏曲」のジャケット。