令和2年度より,農事組合法人いかずちを実証農場として,新たな「スマート農業実証プロジェクト」がスタートしました。(農)いかずちは水稲種子生産を担う集落営農法人で,中山間地域におけるスマート農業技術を活用した精密,省力な種子生産をめざして,2年間の実証を行います。
種子生産では,異物の混入を防ぐために,徹底した漏生株や雑草の除去(異株抜き)が必要であり,大きな労力となっております。この実証事業では,直進アシスト田植機による正確な田植えと,自動操舵付き水田除草機による異株抜きを組み合わせることによって,異株抜きにかかる労働時間を削減することを目標の一つとしています。
直進アシスト田植機による田植え作業は5月中旬から始まり,5月21日にはコンソーシアムメンバーを参集した実演会が行われました。実際に作業したオペレーターからは,「直進作業が一番気を遣うので,疲労軽減につながった。また,株間や条間の間隔が正確なので,使用する苗箱の数が減ったようだ」との話でした。6月には自動操舵付き水田除草機による除草作業を行い,作業精度について実証を行う予定です。
実証事業では他にも,経営管理システムによる採種ほ場管理の効率化や水田遠隔水管理制御装置による水管理作業の効率化,散布用ドローンによる病害虫防除なども計画しています。中山間地域の種子生産におけるスマート農業の実用化に向け,きめ細やかな支援を行っていきます。
<連絡先>
宮城県大崎農業改良普及センター 先進技術班
TEL:0229-91-0726 FAX:0229-23-0910