令和6年1月10日に石巻合同庁舎において「異常気象に負けない野菜生産セミナー」を開催しました。これは令和5年夏の異常気象による高温で野菜の生産量が著しく減少したことを受けて開催したものです。約100人の参加があり、生産現場の関心の高さが伺えました。 最初に仙台管区気象台の濱浦俊悦情報活用推進官から令和5年夏季の気象経過について情報提供があり「8月から9月の高い海水温」、「ジェット気流の蛇行」及び「太平洋高気圧の本州付近への張り出し」などいくつかの要因が重なり、酷暑につながったとの説明がありました。また、今後の気象は地球温暖化から高温傾向が続くのではないかとの見通しの説明もありました。 続いて、明治大学農学部の岩崎泰永教授からは「異常気象に備えた野菜生産」と題し、高温時の作物は発育量に対して光合成産物が足りず徒長傾向になっていることから、高温下であっても適正な生育を維持する栽培管理が大切との説明がありました。例えば作物が萎れるのでなければ、「遮光」は作物にとって光合成量を減少させるため、一律の「遮光」に対する注意を呼び掛けていました。野菜生産においては施設や露地で多種多様な品目が栽培されており「高温対策にいわゆるHow toはありません」とも明言され、あらためて高温対策の難しさを認識しました。 なんとか解決の糸口や対策を見つけたいと参加者は熱心に講演内容をメモしたり、講師に質問するなどして、活気にあふれたセミナーとなりました。 普及センターでは今後も関係機関や生産者の皆様と協力し、夏の異常気象に有効な対策の検討を引き続き行っていきます。
<連絡先> 宮城県石巻農業改良普及センター先進技術第二班
TEL 0225-95-1435 FAX 0225-95-2999