亘理農業改良普及センター管内のりんご生産者組織で構成されている亘理名取果樹振興協議会では,当年産りんごの病害虫発生状況と防除の総括と翌年産りんご病害虫防除暦の検討を行う亘理名取地区果樹共同防除担当者研修会を毎年実施しています。
本年も10月27日に,亘理農業改良普及センター会議室を会場に管内共同防除担当の生産者や農薬メーカー等の関係機関が集まり,研修会が開催されました。
平成28年産りんごで特に目立った病害虫被害として,リンゴ心かび病や果実腐敗病(リンゴ輪紋病,リンゴ炭疽病)が挙げられました。特にリンゴ輪紋病を主とする果実腐敗病は被害が慢性化しています。そこで,平成28年の降雨量と薬剤防除履歴を基に,感染時期の推定と今後の対策について検討しました。その結果,平成28年産りんごにおける果実腐敗病被害の大きな原因は,(1)リンゴ輪紋病の重点防除時期にあたる6月後半と8月後半に2度長雨に遭遇した,(2)薬剤防除間隔が10日を大きく開いた時期が数回あったことによるものではないかと総括されました。次いで生産者から,リンゴ輪紋病の感染経路や防除暦採用の殺菌剤の効果について質問があり,当所果樹担当職員や農薬メーカーからそれぞれ回答しました。
次に,平成29年産りんごの病害虫防除暦の検討が行われました。今回は,殺虫剤の効果の見直しが行われ,併せて殺虫剤の一部で登録内容の変更があったことを受け,殺虫剤を中心に大幅な見直しが提案されました。新たに提案された薬剤の特性への質問があり,採用時期の見直しが一部提案されました。提案された意見を反映して,平成29年1月前半の農薬登録情報で登録内容を確認した上で,来春までに関係者に配布することになりました。
<連絡先>
宮城県亘理農業改良普及センター先進技術班
TEL:0223-34-1141,FAX:0223-34-1143