ハリケーン“サンディ”が、
アメリカに予想以上の大規模な被害をもたらしました…
でも、それとは比べものにならない規模の嵐が、
土星では起こっていました。
2011年初めに発生した土星の巨大嵐は、地球より大きな範囲に雲を広げただけでなく、
これまで太陽系内で検出された中で最も大きく、最も高温の渦を成層圏に発生させ、
謎のエチレン大量発生を引き起こしていたんですねー
さらに、NASAの土星探査機“カッシーニ”が検出した土星の気温が、
一時、局地的に摂氏84度も上昇するという、信じがたいことが起こっていました。
この極端な気温上昇は、冬のアラスカから夏のモハベ砂漠に瞬間移動するくらいの差だとか…
これほどの気温上昇は、太陽系でも記録されたことがないんですねー
この土星の嵐は、激しい風と雷を巻き起こし、
ピーク時には幅1万4500キロの雲が、この巨大ガス惑星を一周しています。
そして極端な気温変化に伴い、炭化水素ガスのエチレンが大量に発生したんですねー
これは、土星大気中に従来はわずかしかみられなかったメタンの副産物で、なんでエチレンがこれほど大量に発生したのかはわかっていません。
土星は30年かけて太陽を一周します。
それとほぼ同じ周期で、大規模な嵐が発生するんですねー
2011年の巨大嵐は、通常の周期より10年早く発生し、半年以上続いていました。
この種の嵐が、土星の軌道上を回る高性能の探査機によって観測されるのは、今回が初めてです。
“カッシーニ”が、これまで成し遂げた中でも最大級の発見と言えます。
かつてない急激な気温上昇の結果、土星の成層圏の気温は摂氏マイナス約54度を記録しました。
土星の内部大気は比較的高温になることもあるのですが、
成層圏は地球でいうと長距離飛行の航空機の巡航高度と同程度の高さにあり、通常は非常に低温なんですねー
さらに、メタンがエチレンに変化するほど大量に存在するというのは、土星では極めて異例なことです。
極端な気温変化により、土星にこれまでなかった化学反応が起こった可能性も出てきています。
ピーク時の嵐の大きさと強さは、主に赤外線観測で明らかになりました。
赤外線観測では、光学望遠鏡には見えないものが見えます。
観測の結果、目に見える嵐が土星の対流圏に雲層に広がっていた一方で、嵐のエネルギーは数百キロ上方まで到達し、暖かい空気の巨大な“のろし”となって、対流圏の上の成層圏に食い込んでいたことが分かりました。
この“のろし”は、いずれ分解し冷えていくと予想されたんですがねー
2011年初めごろには、分解するどころか合体して1つの巨大な渦になり、一時は木星の巨大な大赤斑より大きくなっています。
“カッシーニ”は、ハワイとチリに設置された望遠鏡の助けを借りて、6カ月続いた嵐をかつてないほど線密に観測することに成功しました。
それでも、嵐の研究はまだ始まったばかりなんですねー
“カッシーニ”だけでも、今回の調査に用いる機器を12台も搭載しています。
これらのデータを全て統合すれば、非常に特異なこの現象を解明できるのかもしれません。
アメリカに予想以上の大規模な被害をもたらしました…
でも、それとは比べものにならない規模の嵐が、
土星では起こっていました。
2011年初めに発生した土星の巨大嵐は、地球より大きな範囲に雲を広げただけでなく、
これまで太陽系内で検出された中で最も大きく、最も高温の渦を成層圏に発生させ、
謎のエチレン大量発生を引き起こしていたんですねー
![]() |
土星の北半球に広がる巨大嵐 |
さらに、NASAの土星探査機“カッシーニ”が検出した土星の気温が、
一時、局地的に摂氏84度も上昇するという、信じがたいことが起こっていました。
この極端な気温上昇は、冬のアラスカから夏のモハベ砂漠に瞬間移動するくらいの差だとか…
これほどの気温上昇は、太陽系でも記録されたことがないんですねー
この土星の嵐は、激しい風と雷を巻き起こし、
ピーク時には幅1万4500キロの雲が、この巨大ガス惑星を一周しています。
そして極端な気温変化に伴い、炭化水素ガスのエチレンが大量に発生したんですねー
これは、土星大気中に従来はわずかしかみられなかったメタンの副産物で、なんでエチレンがこれほど大量に発生したのかはわかっていません。
土星は30年かけて太陽を一周します。
それとほぼ同じ周期で、大規模な嵐が発生するんですねー
2011年の巨大嵐は、通常の周期より10年早く発生し、半年以上続いていました。
この種の嵐が、土星の軌道上を回る高性能の探査機によって観測されるのは、今回が初めてです。
“カッシーニ”が、これまで成し遂げた中でも最大級の発見と言えます。
かつてない急激な気温上昇の結果、土星の成層圏の気温は摂氏マイナス約54度を記録しました。
土星の内部大気は比較的高温になることもあるのですが、
成層圏は地球でいうと長距離飛行の航空機の巡航高度と同程度の高さにあり、通常は非常に低温なんですねー
さらに、メタンがエチレンに変化するほど大量に存在するというのは、土星では極めて異例なことです。
極端な気温変化により、土星にこれまでなかった化学反応が起こった可能性も出てきています。
ピーク時の嵐の大きさと強さは、主に赤外線観測で明らかになりました。
赤外線観測では、光学望遠鏡には見えないものが見えます。
観測の結果、目に見える嵐が土星の対流圏に雲層に広がっていた一方で、嵐のエネルギーは数百キロ上方まで到達し、暖かい空気の巨大な“のろし”となって、対流圏の上の成層圏に食い込んでいたことが分かりました。
この“のろし”は、いずれ分解し冷えていくと予想されたんですがねー
2011年初めごろには、分解するどころか合体して1つの巨大な渦になり、一時は木星の巨大な大赤斑より大きくなっています。
“カッシーニ”は、ハワイとチリに設置された望遠鏡の助けを借りて、6カ月続いた嵐をかつてないほど線密に観測することに成功しました。
それでも、嵐の研究はまだ始まったばかりなんですねー
“カッシーニ”だけでも、今回の調査に用いる機器を12台も搭載しています。
これらのデータを全て統合すれば、非常に特異なこの現象を解明できるのかもしれません。