現在の火星には、地球のわずか100分の1程度という、非常に薄い大気しかありません。
その火星に、かつては厚い大気が存在したかもしれない…
その根拠となる分析結果が、NASAの火星探査車“キュリオシティ”から届きました。
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“キュリオシティ”の
分析装置に搭載された
可変レーザ分光器(TLS)
火星の大気の変化を理解することは、過去に火星が生命に適した環境だったかどうかを判断するのに重要な要素となります。
今回、“キュリオシティ”から届いた分析結果は、過去に大気が失われたという根拠になるものなんですねー
“キュリオシティ”は、ゲールクレーター内の“ロックネスト”という場所で、大気のサンプルを採取しています。
これを分析したところ、大気に含まれる二酸化炭素を構成する炭素のうち、
重い同位体の比率が、火星誕生間もないころにおける確定比率より5%増加していることが分かりました。
(同位体とは、同じ元素でも、中性子の数により質量が異なるものです。)
これは、かつて上層大気の軽い同位体が、宇宙空間に流出した可能性を示しているんですねー
また、アルゴンの場合も重い同位体の比率が増加していて、地球に落ちた火星起源の隕石を調べて得られた大気組成と一致しています。
この結果から、はるか昔の火星は現在とは全く異なり、豊富な水と厚い大気が存在していたと推測できるんですねー
ちなみに、上層大気の過去の流出については、NASAの探査機“MAVEN”が2014年に到着してさらに調べる予定です。
“キュリオシティ”はさらに、メタンガスの分析も行っています。
地球では生物学的なプロセスでも、それ以外でも作ることができ、生命の単純な構成要素として調査の対象となっている物質ですが、火星大気にはごく微量しか検出されていないんですねー
地球や上空の探査機からの測定は難しいのですが、今回の高精度な測定からも、メタンガスの量はほぼ無いに等しいものでした。
今回の分析では、とりあえずゲールクレーターには、メタンは大量に存在しないことが明らかになりました。
でも、火星の大気が場所によって異り、意外な発見があるかもしれません。
“キュリオシティ”は今後数週間のうちに、今回使われた“SAM”と呼ばれる分析装置で、岩石や土壌に含まれる有機化合物の分析も行う予定です。
含水鉱物と炭酸塩の検出・分析が、今後の優先ミッションになるようです。
大気と土壌の両方を分析することで、火星の過去の生命環境の理解が大きく進展するといいですね。
その火星に、かつては厚い大気が存在したかもしれない…
その根拠となる分析結果が、NASAの火星探査車“キュリオシティ”から届きました。
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“キュリオシティ”の
分析装置に搭載された
可変レーザ分光器(TLS)
火星の大気の変化を理解することは、過去に火星が生命に適した環境だったかどうかを判断するのに重要な要素となります。
今回、“キュリオシティ”から届いた分析結果は、過去に大気が失われたという根拠になるものなんですねー
“キュリオシティ”は、ゲールクレーター内の“ロックネスト”という場所で、大気のサンプルを採取しています。
これを分析したところ、大気に含まれる二酸化炭素を構成する炭素のうち、
重い同位体の比率が、火星誕生間もないころにおける確定比率より5%増加していることが分かりました。
(同位体とは、同じ元素でも、中性子の数により質量が異なるものです。)
これは、かつて上層大気の軽い同位体が、宇宙空間に流出した可能性を示しているんですねー
また、アルゴンの場合も重い同位体の比率が増加していて、地球に落ちた火星起源の隕石を調べて得られた大気組成と一致しています。
この結果から、はるか昔の火星は現在とは全く異なり、豊富な水と厚い大気が存在していたと推測できるんですねー
ちなみに、上層大気の過去の流出については、NASAの探査機“MAVEN”が2014年に到着してさらに調べる予定です。
“キュリオシティ”はさらに、メタンガスの分析も行っています。
地球では生物学的なプロセスでも、それ以外でも作ることができ、生命の単純な構成要素として調査の対象となっている物質ですが、火星大気にはごく微量しか検出されていないんですねー
地球や上空の探査機からの測定は難しいのですが、今回の高精度な測定からも、メタンガスの量はほぼ無いに等しいものでした。
今回の分析では、とりあえずゲールクレーターには、メタンは大量に存在しないことが明らかになりました。
でも、火星の大気が場所によって異り、意外な発見があるかもしれません。
“キュリオシティ”は今後数週間のうちに、今回使われた“SAM”と呼ばれる分析装置で、岩石や土壌に含まれる有機化合物の分析も行う予定です。
含水鉱物と炭酸塩の検出・分析が、今後の優先ミッションになるようです。
大気と土壌の両方を分析することで、火星の過去の生命環境の理解が大きく進展するといいですね。